5月18日 デヴィッド・イダルゴ&マーク・リボー ライブ@渋谷クアトロ

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今週の木曜日、会社を早退して渋谷にライブを観に行ってきました。
 
この二人の組み合わせはどうしても観たくてね。
 
 
スペンサー・ウィギンス
 
 
と観たいライブは山ほどあったが、住んでるところ都内じゃないし、金銭的余裕もありませんので(ということでポールさんは最初から候補じゃなかったのですが(笑))この一本に絞りました。
 
で、大正解!!
 
実にゆるく濃厚なライブでした。
 
結論から言うと、僕はデヴィッド・イダルゴの声があればなんでもよかったんです。
 
あの人の唄う声がとにかく好きで。
 
ロス・ロボスってあんましヴォーカルのこと言われないけど、イダルゴとセサル・ロサスの対極にあるヴォーカル・スタイルが絶対の売りだとずっと思ってて。
 
ほとんどハモることなんかないのだけれど、交互に歌い継ぐのがいいんですよ。
 
セサル・ロサスの骨太ブルース・ロック&クンビア
 
デヴィッド・イダルゴの哀愁ある高音ヴォイス
 
これだからロス・ロボスはたまらないのです。
 
 
ロス・ロボスは過去2回観てるかな。
 
88年のニュー・オーリンズ・ジャズ・フェスと97年の渋谷クアトロ。
 
だから20年ぶりにイダルゴの唄に触れることができてもう感無量でした。
 
一曲目はラテン・プレイボーイズの「MANIFOLD DE AMOUR
 
ボソボソつぶやくようなチェロとヴォーカルで一気に持って行かれました。
 
過去2回はエレクトリック・セットだったので、今回大好きな曲「LA PISTOLA Y EL CORAZON」が聴けたのは本当に嬉しかった。これだけでチケット7500円のうちの6000円分の価値がありました(笑)。


*ルイ・ペレスと二人で演奏してる動画がありました!!本当にいい曲だ。。。
 
この曲の時が一番二人のギターアンサンブルがかみ合ってたなぁ。すごくいいアレンジでした。
 
そうそう、もう一人のマーク・リボーさん。
 
彼のことは大好きなんだけど、実は観るのは今回が初めて。なんかいつもタイミングが合わなくて。
 
だから凄く期待してたんです。
 
感想は「あ、凄く上手い人なんだなー」っていうこと(笑)。
 
マーク・リボーっていうとどうしてもアバンギャルドなイメージがあって。
 
あのベロベロ変態チューニングのソロアルバムの印象が強いのかもしれないけど
 
サラ・ジェーン・モリスのアルバムとか、福岡史朗氏の名盤「朝のステーキ」でも結構唄モノにはオーソドックスなツボを押さえたプレイばっかりだもんね。
 
でもその引き出しの多さは凄い。
 
カントリー・リックを多用するのにはびっくりしたけど、そこに80年代テイストをぶち込んでみたり、とにかくいろいろ出てきます。オクターブ奏法、上手かったなぁー!!
 
ボロボロのギブソンのアコギもいろんな音がかたまって出てきてたなぁ。
 
フレーズもそうですが、この人はやっぱり音のニュアンスの人なんでしょうね。そのための楽器選び。
 
ヴィンテージのジャガーもいい音してました。ジャガーって本当に素晴らしいギターですね。さすがフェンダーの最高機種ですな。
 
イダルゴとの対比も面白かったなぁ。イダルゴのフレーズは僕の場合はとにかく気持ちよく持っていかれるだけなんですが。この人のピッキングニュアンス、トーン、フレーズと全てがツボなので(笑)。
 
そして今回最大の収穫は!
 
マーク・リボーのヴォーカルです!!!
 
凄くいい。
 
ちょっと斜に構えた感じで物語を紡いでいくのはまるで映画を観ているようでした。
 
なんだかわからんけど、聴きながらヴィム・ベンダースのこと思い出してたなぁ・・・
 
すごく映像的な唄ってありますよね?
 
まさにそんな感じ。
 
マーク・リボーの唄モノアルバム、聴きたいです。
 
そして取り上げる曲は徹底的に虐げられた庶民の目線の唄。あのコリードの曲よかったなぁ・・・。
 
これはライブを通して貫通してました。
 
アンコールの「WHAT'S GOING ON」もロス・ロボスでは結構やってる曲なんだけど、
 
このライブで聴くとある種のストーリーを感じました。
 
MCでもちょいと言ってたけど、
 
アメリカが置かれた現実に対して相当憤りを感じてるんだろうなぁ。
 
それは日本でも、というか世界的に起きてる相当やばい状況を憂いてるんだと思います。
 
僕らもそうだもんね。
 
マーク・リボー、やはり一本筋が通った人であります。
 
 
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ニュージャージーに生まれて70年代末にニュー・ヨークに渡り数々の前衛的なセッションをこなしつつ、この人の中心にはルーツ・ミュージックというものがしっかり鎮座してるんだろうな。
 
かたやイダルゴさんはイーストLAのチカーノコミュニティーのど真ん中で育ち、当然のごとく地元のローカルヒーロー、シー・ミッドナイターズなんかをアイドルにして、ブルース・ロックの洗礼を浴びたり、サンタナに痺れてみたり、そのかたわら自分たちのルーツであるチカーノ・ミュージックを掘り下げてみたり。
 
置かれた環境が全然違う二人が音を通じて交わした会話は、なんとも豊穣でした。
 
ほんと、行ってよかったです。
 
いいもの観たな。
 
 
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客席を見渡すともう知り合いばっかり(笑)。
 
しかし、これだけお客さんにミュージシャンが集まったライブも珍しい。
 
みんなこの二人が何をやらかすのか興味津々だったんでしょうねー。
 
 
ちなみにギターの名手と知られるお二人ですが、インストの曲ひとつもなし。
 
全て交互に唄を聴かせてくれました。
 
素晴らしい!!
 
 
 
終演後はいろんな人と挨拶を交わしつつ
 
塚本功君が「ここ、クアトロの楽屋なんだよ。行こうか?」
 
ということで(笑)、楽屋内へ突入。
 
しっかりサインを頂きました!!
 
ミッション・コンプリート。宝物がまた一つ増えた。
 
20年前ロス・ロボスのクアトロライブでも楽屋に突入してるのですがね。
 
久しぶりに握手してもらったイダルゴの手は本当にデカかった。
 
手の厚さは僕の倍くらいある。よくあんなデカい手で繊細なトーンを出せるもんです。
 
余談ですが、イダルゴさんが座っていた席の前にはビールの空き缶がゴロゴロと(笑)。
 
さすが師匠!!!!
 
 
そうこうしているうちに、どの友達グループも見えなくなってしまい(笑)
 
あれほど心配していた終電時間どころか、23時には埼玉の家に着いていたという優等生ぶり。
 
翌日仕事じゃなかったら朝まで語り尽くしたかったけどね・・・・
 
川口隊長には悪い事しちゃったなぁ。呑む気満々だったのにすみませんでした。
 
 
漣とも久しぶりに話せたなぁ。今度は腰落ちつけて呑みましょうや。

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*今回のお宝(笑)。右は呆れるくらい聴き倒している「ピストルと心」の裏面。左はメジャー・デビュー盤。

これを見た途端、イダルゴさんは「OH! COOL!!」と言ってましたな。

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*マーク・リボーさんに頂いたのはもちろんこのアルバム。これも聴き倒した思いが深い一枚です。

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*下の紙きれは20年前にやはりクアトロで頂いたロボス達のサイン。

右下がイダルゴさんのサインですが、よく見ると今回と筆跡が微妙に変わってます(笑)。


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*ついでに(失礼)、久しぶりに逢ったので本人から購入した塚本君の写真集。

かっこいいよー。皆様も是非。

人の楽屋でこそこそと金銭を受け渡しする怪しい二人でした(笑)。