「醤油本」 玄光社MOOK 1400円
「身近な調味料のこと、ちゃんと知っておかないとな」
と、半年くらい前に購入してようやくこの正月休みに読み切りました(正月って意外とこういうためにある:笑)。
「醤油の原料って、なんだと思いますか?」
と尋ねられて、即答できる人ってどれくらいいるんだろうか?
意外とみんな身近に食しているものの原料を知らないんですよね。
この間も職場で「もやしと大豆と枝豆は全部一緒だよ」と言ったら怪訝そうな顔されましたが(苦笑)。
まぁ、そんなもんなのでしょうが、
そういうのが僕は嫌でこういう面倒くさい生活してるんですけどね。
せめて自分が食べてるものはなんなのかは知っておきたいのです。
話がずれましたが。
醤油の原料は
大豆、小麦、塩
だけです。
行程としては
1.大豆を蒸す
2.小麦を煎って割る
3.種麹を混ぜ、麹菌を育む
4.麹と塩水を桶に入れ諸味を作って発酵熟成させる
5.熟成した諸味から醤油を絞り出す
6.静置ろ過したものに火入れする
7.またろ過して完成
これが基本工程です。
火入れしないものを「生(なま)醤油」といい、
また諸味の代わりに生揚げ(きあげ)醤油(絞り出した段階の菌が生きている醤油)を使うのを「再仕込み醤油」と言います。
その他、現在醤油と呼ばれているものには3種類あります。
この作り方をしているのが「本醸造」
諸味の段階でアミノ酸や甘味料を混入するのが「混合醸造」
絞った段階(生揚げ醤油)にアミノ酸等を混入するのが「混合」
と命名されてます。
ちなみに本醸造でもアミノ酸が入っているものもあるので「本醸造=無添加」ではありません。
また格安スーパーで売られている異常に安い醤油ですが、あれは醤油ではありません。
裏の成分表示表を見るとちゃんと「醤油風調味料」と書いてありますので、ご興味あるかたは見てくださいな。
成分表示表、見方がわかると無茶苦茶面白いですよー。
この本を書いた著者は群馬の前橋で「職人醤油」という醤油専門の物販をやっている方で(HPはこちら http://www.s-shoyu.com/)
彼のスタンスは「食品添加物は国が安全性を認めたものだけなので悪とは思わない」ということです。
それはそれでいいと思います。
僕は無理ですけどね。
ただ、
各国、添加物認可の基準は違うということ
EU、アメリカで不認可のものでも日本は認可されているということ
それを踏まえたうえで、日本が認可した添加物の数は断トツに多いということ
中でも石油から合成された認可添加物は350種もあり、これはドイツの5倍、フランスの10倍であるということ
は知っておいたほうがいいかもしれないです。
ちなみに残留農薬の基準はEUと比較すると日本は50~500倍の差があります。
これは残念ながら事実ですので、それを念頭に置いて自己判断すればいいのかな、と。
**********************
この本で、当然知らなかったことも知るわけで。
醤油が江戸時代から庶民に普及した、意外と歴史の浅いものだというのは何となく知ってました。
でもその醤油が戦後すぐに最大の危機を迎えていたとは知りませんでした。
1907年にグルタミン酸ナトリウムが発見され(味の素ですな)、これが戦時中の物資不足の際に醤油にフル活用され、甘味料やカラメル色素を加えた醸造しない醤油「もどき」が市場に出回ります。
そして1948年にGHQのお達しで、大豆の原料配分を「醸造醤油業界2:アミノ酸業界8」に決められたそうなんですな。
理由は
1.物資不足の時代に1,2年も熟成させる悠長な醤油作りは認められない
2.40%も粕になってしまう調味料は論外である
と。
そのままで行くと本醸造の本来の醤油は消え去ってしまったのですが、
それを救ったのがキッコーマンが開発した「新式2号製造法」というものだそうで。
それは「半化学・半醸造」、つまり前述した「混合醸造」による作り方なんだそうです。
それによりかろうじて醸造(発酵)する製法は生き残り、
大豆の配給も7:3の割合に逆転したという経緯があった、と。
その後、原料が確保出来始めると、本醸造に戻るところと、地域によっては混合醸造がその土地の味になった(西の甘口醤油等)そうです。
いやはや、もしかしたら我々日本人は本来の醤油を食せなかったのかもしれないと思うと恐ろしい話です・・・・。
歴史だけ考えると「アミノ酸様、ありがとうございますー!!!」ですね(苦笑)。
***************************
それからもう一つ
豆腐も大好きなので、大豆の需要についてはある程度知ってたのですが(池袋大桃豆腐でも大問題視してますけど)
ちょっとまとめてみますね。
まず年間の大豆需要量は約3000トンのうち、国産は229トン。自給率はたったの8%・・・・
全体の需要量のうち食用は31% 残りはほとんど大豆油の原料になります。
その食用の中で国産は25%
その国産の内訳
豆腐 58%
煮豆惣菜 9%
納豆 14%
醤油味噌 10%
その他9%
よくわかんないでしょうけど(笑)
とにかく少ないということですよ。
さて、ちょっとこれと離れて
醤油に使われる大豆の種類を見てみましょう。
脱脂加工大豆 82%
丸大豆 18%
丸大豆の内訳
外国産 15.6%
国産 2.4%
さて、「脱脂加工大豆」とは何か?
これは前述した大豆油の搾りかすです。
これは安価で短時間で旨味成分を抽出できるらしいのですが・・・・・
どう思いますか?これって。。。。
日本が世界に誇るべき調味料「醤油」のこれが現実です。
それでも愚直に昔ながらの製法を守り、長い熟成の時間と向き合って素晴らしい醤油を作り続けている醤油蔵は日本中にあります。
余計なものを加えず、自然と向き合いちゃんと熟成した醤油は、それだけで体調を整えてくれて
そしてなにより美味いですからね。
いい醤油と塩があって
ちゃんと出汁取れば
それだけで料理なんて十分ですよ。
不味くなるわけがない。
と、最近思うんだよなぁ・・・・。
僕は少々高くても(しょうがないですよね。手間暇かかってるんだから)
そういう蔵を応援したいですねぇ・・・・。
さて、皆さんはどうですかね???
試しに今使っている醤油の裏ラベル「成分表示表」を見てみてくださいねー(笑)。
と、半年くらい前に購入してようやくこの正月休みに読み切りました(正月って意外とこういうためにある:笑)。
「醤油の原料って、なんだと思いますか?」
と尋ねられて、即答できる人ってどれくらいいるんだろうか?
意外とみんな身近に食しているものの原料を知らないんですよね。
この間も職場で「もやしと大豆と枝豆は全部一緒だよ」と言ったら怪訝そうな顔されましたが(苦笑)。
まぁ、そんなもんなのでしょうが、
そういうのが僕は嫌でこういう面倒くさい生活してるんですけどね。
せめて自分が食べてるものはなんなのかは知っておきたいのです。
話がずれましたが。
醤油の原料は
大豆、小麦、塩
だけです。
行程としては
1.大豆を蒸す
2.小麦を煎って割る
3.種麹を混ぜ、麹菌を育む
4.麹と塩水を桶に入れ諸味を作って発酵熟成させる
5.熟成した諸味から醤油を絞り出す
6.静置ろ過したものに火入れする
7.またろ過して完成
これが基本工程です。
火入れしないものを「生(なま)醤油」といい、
また諸味の代わりに生揚げ(きあげ)醤油(絞り出した段階の菌が生きている醤油)を使うのを「再仕込み醤油」と言います。
その他、現在醤油と呼ばれているものには3種類あります。
この作り方をしているのが「本醸造」
諸味の段階でアミノ酸や甘味料を混入するのが「混合醸造」
絞った段階(生揚げ醤油)にアミノ酸等を混入するのが「混合」
と命名されてます。
ちなみに本醸造でもアミノ酸が入っているものもあるので「本醸造=無添加」ではありません。
また格安スーパーで売られている異常に安い醤油ですが、あれは醤油ではありません。
裏の成分表示表を見るとちゃんと「醤油風調味料」と書いてありますので、ご興味あるかたは見てくださいな。
成分表示表、見方がわかると無茶苦茶面白いですよー。
この本を書いた著者は群馬の前橋で「職人醤油」という醤油専門の物販をやっている方で(HPはこちら http://www.s-shoyu.com/)
彼のスタンスは「食品添加物は国が安全性を認めたものだけなので悪とは思わない」ということです。
それはそれでいいと思います。
僕は無理ですけどね。
ただ、
各国、添加物認可の基準は違うということ
EU、アメリカで不認可のものでも日本は認可されているということ
それを踏まえたうえで、日本が認可した添加物の数は断トツに多いということ
中でも石油から合成された認可添加物は350種もあり、これはドイツの5倍、フランスの10倍であるということ
は知っておいたほうがいいかもしれないです。
ちなみに残留農薬の基準はEUと比較すると日本は50~500倍の差があります。
これは残念ながら事実ですので、それを念頭に置いて自己判断すればいいのかな、と。
**********************
この本で、当然知らなかったことも知るわけで。
醤油が江戸時代から庶民に普及した、意外と歴史の浅いものだというのは何となく知ってました。
でもその醤油が戦後すぐに最大の危機を迎えていたとは知りませんでした。
1907年にグルタミン酸ナトリウムが発見され(味の素ですな)、これが戦時中の物資不足の際に醤油にフル活用され、甘味料やカラメル色素を加えた醸造しない醤油「もどき」が市場に出回ります。
そして1948年にGHQのお達しで、大豆の原料配分を「醸造醤油業界2:アミノ酸業界8」に決められたそうなんですな。
理由は
1.物資不足の時代に1,2年も熟成させる悠長な醤油作りは認められない
2.40%も粕になってしまう調味料は論外である
と。
そのままで行くと本醸造の本来の醤油は消え去ってしまったのですが、
それを救ったのがキッコーマンが開発した「新式2号製造法」というものだそうで。
それは「半化学・半醸造」、つまり前述した「混合醸造」による作り方なんだそうです。
それによりかろうじて醸造(発酵)する製法は生き残り、
大豆の配給も7:3の割合に逆転したという経緯があった、と。
その後、原料が確保出来始めると、本醸造に戻るところと、地域によっては混合醸造がその土地の味になった(西の甘口醤油等)そうです。
いやはや、もしかしたら我々日本人は本来の醤油を食せなかったのかもしれないと思うと恐ろしい話です・・・・。
歴史だけ考えると「アミノ酸様、ありがとうございますー!!!」ですね(苦笑)。
***************************
それからもう一つ
豆腐も大好きなので、大豆の需要についてはある程度知ってたのですが(池袋大桃豆腐でも大問題視してますけど)
ちょっとまとめてみますね。
まず年間の大豆需要量は約3000トンのうち、国産は229トン。自給率はたったの8%・・・・
全体の需要量のうち食用は31% 残りはほとんど大豆油の原料になります。
その食用の中で国産は25%
その国産の内訳
豆腐 58%
煮豆惣菜 9%
納豆 14%
醤油味噌 10%
その他9%
よくわかんないでしょうけど(笑)
とにかく少ないということですよ。
さて、ちょっとこれと離れて
醤油に使われる大豆の種類を見てみましょう。
脱脂加工大豆 82%
丸大豆 18%
丸大豆の内訳
外国産 15.6%
国産 2.4%
さて、「脱脂加工大豆」とは何か?
これは前述した大豆油の搾りかすです。
これは安価で短時間で旨味成分を抽出できるらしいのですが・・・・・
どう思いますか?これって。。。。
日本が世界に誇るべき調味料「醤油」のこれが現実です。
それでも愚直に昔ながらの製法を守り、長い熟成の時間と向き合って素晴らしい醤油を作り続けている醤油蔵は日本中にあります。
余計なものを加えず、自然と向き合いちゃんと熟成した醤油は、それだけで体調を整えてくれて
そしてなにより美味いですからね。
いい醤油と塩があって
ちゃんと出汁取れば
それだけで料理なんて十分ですよ。
不味くなるわけがない。
と、最近思うんだよなぁ・・・・。
僕は少々高くても(しょうがないですよね。手間暇かかってるんだから)
そういう蔵を応援したいですねぇ・・・・。
さて、皆さんはどうですかね???
試しに今使っている醤油の裏ラベル「成分表示表」を見てみてくださいねー(笑)。