炊事節
人生40歳も過ぎると、いろんなことが煩わしくなってくるのだ。
「とにもかくにも悩まないでシンプルに生きたいもんだ」
そんなことを考え(考え抜いて?)生活する毎日である。
・・・・・まぁいろんなこと考えすぎる性格が災いしているのがよくわかっているので(笑)。
特にここ1年くらいで決めてしまったことが多く、非常にスッキリしている。
普段の塩は静岡の「あらしお」
味噌は栃木は益子の瀬尾さんとこの陶器味噌
豆腐は三鷹の美濃屋の木綿豆腐。
あ、でも豆腐は美味いのがあったらいくらでも食べたい(笑)。普段はご近所の美濃屋で十分すぎるほど美味いのだが、まだまだ美味い豆腐は食べてみたい。この間買いに行った千葉県神崎の「月のとうふ」は絶品でした!!
とまぁそんな感じ。
いろいろ決めていくと、そこの部分で悩まなくて済むから楽。
というか他の事で悩めるから、ちょっと一歩進んだ気がするんだなぁ(笑)。
「あ、俺これで十分幸せだから」
っていう大人に昔から憧れていて、
そういう歳になってきて
そういう行動をとることが多くなってるんだと思います。
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自分でいろんな「縛り」を作るのって、実は大事なことなんじゃないかな、って僕は思う。
「これしかないから、この範囲で出来ることをやってみよう」
っていう発想は、意外やおもしろい副産物を生み出すことにもなるわけで。
それが「オリジナリティ」にも通ずるんではないか、と。
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本日紹介する「つれれこ社中」はまさにそんなバンドだったと思います。
軽いのか、深いのか、考えてるのか、狙っているのか
本音なのか、ウソなのか
でも本人たちは
そんなところはいとも簡単に突き抜けています。
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1997年、オフノート・レーベルから発売されたCD。
メンバーは
桑畑繭太郎さん。マンドリン。写真家。達観した感じのこの人が撮る写真は素晴らしいです。
まぁ、とにかく「癖」のある御三人が奏でる音は、「縛り」故の自由観がとにかくやみつきになります。
ちょっと前に久しぶりに引っ張り出したこのCDが
営業後の独り飲みにはまって随分経ちます(笑)。
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上野さんが唄う「炊事節」がとにかく好きで。
普段の食事をほぼ外食抜きで自分で賄う僕の中で絶対的に影響力を持つ曲。
春キャベツを千切りしながら、いつもこの曲を口ずさんでいる自分が恐ろしい・・・・・
この曲は絶対小学生の教科書に載せるべきだと思っているのですが
そうすれば
世の中の食事情はもっとよくなって
健全な食と国産自給率100%にちかい昔ながらの生活が営めると思うのですがねぇ・・・・
日本が古来からもっていたはずのこういう感覚こそ
世界に誇るべきですよ、ホントに(笑)。
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<炊事節>
キャベツの芯は捨てないで
細かくおろして餃子の具
レタスの芯は捨てないで
しめじと炒めて片栗粉
青みの葱は捨てないで
鶏がらスープに入れて煮る
セロリの青葉捨てないで
手早く炒めるごま油
汁そば食えば知るものか
揚げそば食えばあげようか
パセリの茎は捨てないで
シチュウの香りに欠かせない
ブロッコリーの芯は捨てないで
薄切り煮てよし炒めても
人参の皮は捨てないで
叩いてコロッケ忍ばせる
レモンの皮は捨てないで
まぶした砂糖と煮てジャムに
マカロニ食えば旨かろに
カネロニ食えば眠かろに
煮出した昆布は捨てないで
味濃く煮詰めて佃煮に
湿気た海苔は捨てないで
同じく佃煮山椒の実
大根の皮は捨てないで
千切り炒めてキンピラ風
蜜柑の皮は捨てないで
湯船に浮かべて蜜柑風呂
シバ漬け食えばしばらくね
奈良漬け食えばさよならね