七味
久しぶりに浅草に行った。
多分、7,8年ぶりかな。
友人の送別会と称して楽しく深夜まで吞ませていただいたのだが(笑)。
その前に寄るところがひとつ。
浅草と言えば「やげん堀」なのです。七味ね。
七味はここ10年くらい京都原了郭の黒七味を愛用していたのだが、最近はこっちの方が好みです。
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2019年10月27日の東京新聞の日曜版特集で「蕎麦と唐辛子のいい関係」という記事があって、これがなかなか面白くて、それは未だに取ってある。
ざっくり要約すると
江戸時代に流行った蕎麦だが、そもそもは明暦の大火で焼失した江戸の街を復興させるために全国からインフラ整備のための肉体労働者が集まり、
主に単身赴任者であった彼らが外食で小腹を満たすのに蕎麦が最適で流行ったそうな。
で、当初は汁につけて食べていたのだが「面倒臭い」ということで汁をそのままかける「ぶっかけ」が流行り、その後寒い時期に温かい汁をかける「かけ」が定着した。
それとは別に江戸後期には丁寧に仕上げる「手打ち蕎麦」が旦那衆の粋な食べ物として流行して、蕎麦の2極化が始まったそうな。
かけ、ぶっかけの薬味は当初ネギや大根おろしだったのだけれど、七味をかけて食べる習慣が始まると一気にそれが広まったんだって。
甲州街道や青梅街道で信州の蕎麦を運んで製粉していたのが今の中野坂上。
一方、唐辛子は新宿御苑を中心に四谷から大久保近辺までがそれこそ真っ赤な唐辛子畑で覆われていたそうで。
ということで、蕎麦と七味は切っても切れない縁だというお話でした。
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日本三大七味というのがあって
先ほどの江戸「やげん堀」
信州善行寺の「八幡屋磯五郎」
京都清水の「七味屋本舗」
それぞれブレンドされている薬味は違う。
濃い目の醤油味の関東には、辛味を強調したブレンド
出汁の香りを大事にした関西は、香りを強調するブレンド
真っ黒な汁で育った北関東の僕としては、やはりやげん堀の方があってるのかもしれません(笑)。・・・というか子供の時蕎麦なんて食べたことないけどね。
北関東はどこまでもうどん。年越しもうどんでしたので。
でもまぁ、いろんな七味をそん時の気分で変えて食するのもなかなか楽しいです。
ちなみにやげん堀ではその場で自分の好みに合ったブレンドしてくれますよ。
そこまで凝る気はないけれど、ね(笑)。