9日(水) 農夫の唄

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買出しに行く自転車での道すがら、突然舞い降りたアイリッシュ・ホイッスルのメロディが頭から離れなくて
 
ここ何日か、また毎日聴き続けているのが本日の一枚です。
 
 
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79年にリリースされたアイルランドの歌姫ドロレス・ケーンと、旦那のイングランド人、ジョン・フォークナーの
二人のアルバム「BROKEN HEARTED I'LL WANDER」です。CDで。アナログ盤は昔みかけたことがあるけど、その時に購入せず大後悔しているレコードの一枚(笑)。
 
内容はとにかく地味。
 
アイリッシュというと、ジグやリールのダンサンブルなチューンに耳が行きがちだが、
 
長年このジャンルを聴いていると、こういう唄モノの地味なものが、最終的に一番聴き続けるものとして手元に残るのですな。
 
バンドの編成もいたってシンプル。
 
ドロレス嬢もジョンさんも、実にさらっと伝承歌を唄い紡いでいる。
 
で、こういう状況こそ、その歌い手の力量や奥深さがわかるのであります。
 
ドロレスの少し湿り気を帯びた若干かすれた声は、
 
まさに神に与えられたもの。
 
ジョン・レノンボブ・ディラン、ボブ・マーレィが生まれながらに与えられたそれと一緒。
 
こればっかりは、どんなに努力しても決して手に入れることの出来ないもの。
 
そして、トラッド研究家の旦那に導かれたこのアルバムがあったからこそ
 
絶妙なニュアンスの深みを増したその表現の形が
 
復帰したデ・ダナンの大傑作「BALL ROOM」の2曲目「TEDDY O'NEILL」で開花するのです。
 
これは凄すぎます。
 
素直に唄ってここまで深みが表現できる「唄」というのもなかなか出会えないです。
 
このセッションが後世に残るべく、レコーディングされたことに感謝!!!!
 
もう泣きそうです(笑)。