5日(水) BACON FAT

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本日は「ギュィ~~~ン!!!」といきたい気分だったので、この一枚です。
 
JESSE "ED"DAVISさんの生涯残っている3枚のアルバムのうちの最後のアルバム「KEEP ME COMIN'」。
 
これは73年にエピックからリリースされたオリジナル盤。初回プレスには歌詞カードと、付録で彼のインタビューを納めた7インチ・シングル盤が入っている。
 
パキパキの素晴らしい音です。
 
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若い時はブルースばっかり聴いていて、それもテキサスの鋭角的なギタリストが好きだったのです。
 
でも歳を重ねるとこういうのが好みになる。
 
ジェシの魅力はなんだろ?
 
出音の遅いペンタトニック・スケールをのらりくらりと手癖のまま弾くのだが、これがまた誰にも真似できない絶妙のタイミングでツボを突いてくるのだ。
 
ヴォーカルはいつも酔っ払ったようにフラットしてるし。
 
でもね
 
はまると抜けられない(笑)。
 
するめみたいな音楽。彼しか醸し出せない人間味溢れる音。
 
0コンマ何秒かの微妙なさじ加減がなんともいえないのです。ザ・バンドのリチャード・マニュエルのピアノとドラムにも共通するかもしれない。
 
ほとんど和食の世界かな(笑)。
 
シンプルなものほどその人の顔が見えるというものです。
 
こういう彼のよさをわかる人が当時はたくさんいて、故に彼はセッション・ミュージシャンとして引っ張りだこだったのです。
 
そのセッション・ワークも本当に必要な場所だけ飾りつけ、後は主役を絶対に食わない。
 
全てはメイン・アクトのためにある必要な音だけ。
 
それゆえ印象的なリックのなんと多いことか。
 
ジョン・レノンの「STAND BY ME」「#9 DREAM」
 
ジャクソン・ブラウンの「DOCTOR MY EYES」
 
ジーン・クラークの「1975」
 
などは、殊勲の出来です。
 
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生涯自己名義のアルバムは3枚しか残さなかった。どれも宝石みたいなアルバムだ。
 
3枚目のこのアルバムはあまり話題に上らないけど、もしかしたら一番聴いてるかもしれない。
 
「BACON FAT」のなんともいえない粘り気のあるギター・ソロは何度聴いてもうっとりします。
 
「好きなギタリストは誰ですか?」と訊ねられたら、間違いなくこの人の名前を叫ぶ昨今であります。
 
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80年代、音楽が機械に制御される時代に入ると、彼の名前はすっかり聞かれなくなり
 
88年にひっそりとオーバードースでこの世を去りました。
 
世知辛いのぉ・・・・・・。
 
そういうわけで、僕の音楽生活もだいたい70年代までで事足りるのでした(笑)。