ジャズなSKA

年末に長い間お世話になってるスカ・フレイムスの11年ぶりのスタジオ録音「TURN UP」を購入して、
 
なんと私も10何年振りかでスカ・ブームが到来しているのであります(笑)。
 
で、youtube60年代のオリジナル・スカの映像、特に中心的な存在だったスカタライツの映像を探したんだが、全くない。
 

探し方が甘いのか、あってKEITH&KENの「JAMAICAN SKA」と世界中で大ヒットしたミリー・スモールの「MYBOY LOLLIPOP」くらい。

 





スカタライツの最も古い映像が、再結成後1984年のライブ映像なのであるが、これがすごぶる良いのだ。
 



 
実はこの時期のライブは音源として出ていて、それがこの2枚。

イメージ 1

 
どちらもキングストンの「THE BLUE MONK JAZZ GALLERY」での演奏だが、アナログ盤は83年7月18&19日の演奏で、CD2枚組)は17日の演奏とレゲエ・サンスプラッシュ出演前のソニーのカセットテープで録られた7月27日のリハーサル風景。
 
ちなみにアナログジャケットを書いたのはイラストレーターの藤原邦久さん。この方にもいろいろお世話になって、世界中のいろんな音楽を教えて頂いた。僕がやってたバンド「大黒屋」の後期ギタリストでもあります。南口時代の店の看板やコースターをデザインしてくれたのもカーテンにギャビー・バンドのジャケ絵を描いてくれたのも藤原さん。元気かなぁ???
 
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何がいいって、1983年と言えばメンバーは50代。演奏技術、表現力が乗りに乗ってる時期なのであります。
 
SKA」という音楽は1963年に彼ら周辺のミュージシャン、プロデューサーたちが「発明」したものなのだが、スカタライツ結成以前には彼らはプレイヤーとして米国が生んだ偉大な音楽のひとつ「JAZZ」に傾倒していたのである。
 
そういうジャズへの憧れをもってこの演奏を聴くと、非常によろしいのですよ(笑)。
 
フォーマットがスカなだけで、実にハード・バップな音楽ではないか!!
 
 
なんか僕が変わりものなのか(苦笑)、ジャズ大好きなんだけど、ジャズ以外の形でやっちゃいましたっていう音楽が物凄く好きなんですよねぇ。
 
テナー・サックスのトミー・マクックなんてコルトレーンを師と仰いでるような人。
 
僕はいろいろ公言してるけど、モダンジャズって敷居が何だか高くって、普段全然聴かない。
 
コルトレーンのアルバムも78枚持ってるけど全くターンテーブルに乗らない(笑)。
 
いつもピート福島君に「え??聴いたことないの???」ってバカにされてたモードジャズの先駆的な名盤「GIANT STEPS」も未だ未聴である。
 
でも、スカタライツの演奏を聴くと「嗚呼、わかるよ。ジャズ好きなんだろうなぁ」って妙に親近感がわくというよくわからない状態なのである。
 
だからスカタライツが僕にとってのジャズなのかもしれないなぁ(笑)。
 
ということにしておいてください。
 
ま、同じような理由で南アフリカの「タウンシップ・ジャズ」も好みなのですが、それは別の機会に。
 
 
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スカと言えは「ンチャ、ンチャ」という裏打ちビートに最大の特徴がある。
 
スカタライツでその役割を担うのがピアノのジャッキー・ミットゥーとギターのジャー・ジェリーだ。
 
この83年のライブ録音を聴くとオリジナル・スカの裏打ちの特徴がよくわかる。
 
文字起こしすると「ンチャ、ンチャ」というよりは「ンチャー ンチャー」という感じで後ろが相当長い。
 
そしてソリストに合わせて「ン」「チャー」の長さや入るタイミングが微妙に変化していく。
 
これが次の頭のビートにかぶり繋がることで独特なレイドバック感があるんだろうと思う次第。
 
先ほどの映像を見ても、ジャー・ジェリーの弾き方は人差し指~小指の4本でギターのボディを持ち、ぶっとい親指を5弦あたりから2弦くらいまでを押してる感じで弾いている。
 
全てダウンで弾かないとあの感じは出ない。
 
真似してみるとよくわかります(笑)。
 
CDディスク2の最後の2曲は、カセットで録られたものだがピアノの音が異常にでかいミックスで
 
そのため、ジャッキー・ミットゥーがどんな弾き方をしているのかがよくわかる貴重なテイクである。
 
特にヴィンテージ録音では絶対わからない彼の左手の音がよく聴こえます。
 
意外と細かいことやってる。
 
スカの裏打ちはブギウギ・ピアノの発展形なのだというがよくわかります。
 
 

59年、ニュー・オーリンズ発の大ヒットナンバー(?)フランキー・フォードが唄う「SEA CRUISE」のバックでヒューイ・ピアノ・スミスが弾くピアノブギはジャッキーに結構影響与えてるんじゃないかな、って妄想してみたり・・・。

 


 
(しかし、オバカな映像だなぁ。この人、ライブ観たことあるけど後期エルヴィスみたいな衣装で出てきて大笑いでした)
 
 
 
そうなんです。単純だと思うかもしれませんが2拍子っていうのは実に奥が深いのですよ。
 
2拍子と3拍子はとにかく大事です。
 
 
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スカタライツの面々は実はジャズ・アルバムも出しててそれがこの2枚。

イメージ 2

 
上が「JAZZ JAMAICA
 
下が「I COVER THE WATER FRONT
 
どちらもいいアルバムです。
 
JAZZ JAMAICA」にはジャマイカの名ギタリスト、アーネスト・ラングリンが参加してジャジーなフレーズを弾きまくっております。
 
ビリー・クックがミュート・トランぺットで奏でる「NEVER ON SUNDAY(日曜はダメよ)」がチャーミングで特にお気に入り。
 
I COVER THE WATER FRONT」では「I'LL REMENBER APRIL」がたまらなくよい。
 
この曲、誰がやっても大好き過ぎるというだけかもしれませんがね(笑)。
 
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久しぶりにジャマイカンミュージックを聴き倒してるが
 
楽しいです。
 
当分続きそうな気配・・・・。