昨日はいい事があった。
「木下さん、覚えてますか?」
・・・・・・?!
おおっ!!見覚えのある顔だ。
そう、店が始まった1995年から来ていただいていた女の子(当時学生)が久しぶりにお店にやってきてくれたのです。
こっちに移ってからは初めてで。なんでも家が近いのだとか。
いや~久しぶりだネェ。またちょこちょこ昔みたいに来てくれると嬉しいです!
こういうのが一番嬉しい。
俺も歳とったなぁ(笑)。
***************
昨日彼女はお母さんと来て頂いたのだが、
このお母さんというのが凄い。
なんでも50歳を過ぎてからブルーズに開眼したのだとか!!
それからむさぼるようにブルーズを聞き漁り、今に至るらしい。
「ジェイムス・コットンはファンキーで好きなのよ」
なんてお話できるお母さんがいたら、あたしゃ惚れますって・・・・・。
今度飲みましょうねー
***************
そんなお母さんが
「これ、誰?」
って反応したのが本日の一枚です。
アラバマのソウル・シンガー、クラーレンス・カーターが69年にアトランティックから出した3枚目のアルバム「THE DYNAMIC CLARENCE CARTER」です。アトランティックのオリジナル盤。たしか昔のバンドのメンバーだったF原さんがスタジオ代がなくて「これでお願い」ってもらったんだと思う(笑)。
プロデュースはリック・ホール。
リックさんとくれば、当然スタジオはフェイムとマスル・ショールズ@アラバマです。
バックはマスル・ショールズの完璧な布陣。
ミドル・テンポの疾走感。
この一見すると相反する感覚が
マスル・ショールズ産のスワンプ・サウンドの肝かもしれない。
そして特筆すべきは当時若干23歳のデュアン・オールマンのギターですよ、やっぱり。
地を這うバッキングから一気に昇天するスライド・プレイは
そりゃぁ、スケコマシのエリック・クラプトンが嫉妬するでしょうよ。
これやってたら、やっぱり早死にするわ(笑)。
でも、このアルバムの最大の売りは
一曲目の「I'D RATHER GO BLIND」ですかねぇ。
チェスのエタ・ジェイムスのヴァージョンが有名ですが、こちらも捨てがたいです。
「もう終わったんだよ。
おまえが他の奴と楽しそうにしてるのを見るくらいだったら
俺はメクラになったほうがまだましさ」
という切ない歌詞ですが
これをアルバムの一曲目に
そして盲目のシンガーに歌わせるところが凄い(笑)。
「おまえさぁ・・・・」って非常に不謹慎なツッコミを入れたくなりますが
これぞ、ブラックでシュールな
愛情溢れるバイタリティーだと思います!!
唄わせたリック・ホールと
素晴らしいフィーリングで唄いきったクラーレンス・カーターに
今日も乾杯!!!
人間たるもの
強く生きなくっちゃね。
このアルバムからではないのですが
ファースト・アルバム「THIS IS ~」から有名曲の映像を。
またCDで再発されているので、是非とも聴いていただきたい名盤です。