ブットイのお願いします!!

 
 
 
 
 
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昨日はいい事があった。
 
「木下さん、覚えてますか?」
 
・・・・・・?!
 
おおっ!!見覚えのある顔だ。
 
そう、店が始まった1995年から来ていただいていた女の子(当時学生)が久しぶりにお店にやってきてくれたのです。
 
こっちに移ってからは初めてで。なんでも家が近いのだとか。
 
いや~久しぶりだネェ。またちょこちょこ昔みたいに来てくれると嬉しいです!
 
こういうのが一番嬉しい。
 
俺も歳とったなぁ(笑)。
 
 
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昨日彼女はお母さんと来て頂いたのだが、
 
このお母さんというのが凄い。
 
なんでも50歳を過ぎてからブルーズに開眼したのだとか!!
 
それからむさぼるようにブルーズを聞き漁り、今に至るらしい。
 
「ジェイムス・コットンはファンキーで好きなのよ」
 
なんてお話できるお母さんがいたら、あたしゃ惚れますって・・・・・。
 
今度飲みましょうねー
 
 
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そんなお母さんが
 
「これ、誰?」
 
って反応したのが本日の一枚です。
 
アラバマのソウル・シンガー、クラーレンス・カーターが69年にアトランティックから出した3枚目のアルバム「THE DYNAMIC CLARENCE CARTER」です。アトランティックのオリジナル盤。たしか昔のバンドのメンバーだったF原さんがスタジオ代がなくて「これでお願い」ってもらったんだと思う(笑)。
 
プロデュースはリック・ホール。
 
リックさんとくれば、当然スタジオはフェイムとマスル・ショールズ@アラバマです。
 
バックはマスル・ショールズの完璧な布陣。
 
ドラム:ロジャー・ホーキンス、ピアノ:バリー・ベケット、ギター:ジェイムス・ジョンソン、アルバート・ロウ、デュアン・オールマン等々。なぜかベースのクレジットがない。絶対デビッド・フッドだけれど。
 
音はとにかくブットイ。腰の据わったこれぞサザン・ソウルクラレンスさんのヴォーカルはどこまでも野太く、マスル・ショールズのリズム・セクションはミドル・テンポでもどこまでも疾走する。
 
ミドル・テンポの疾走感。
 
この一見すると相反する感覚が
 
マスル・ショールズ産のスワンプ・サウンドの肝かもしれない。
 
そして特筆すべきは当時若干23歳のデュアン・オールマンのギターですよ、やっぱり。
 
地を這うバッキングから一気に昇天するスライド・プレイは
 
そりゃぁ、スケコマシのエリック・クラプトンが嫉妬するでしょうよ。
 
これやってたら、やっぱり早死にするわ(笑)。
 
 
でも、このアルバムの最大の売りは
 
一曲目の「I'D RATHER GO BLIND」ですかねぇ。
 
チェスのエタ・ジェイムスのヴァージョンが有名ですが、こちらも捨てがたいです。
 
「もう終わったんだよ。
 
おまえが他の奴と楽しそうにしてるのを見るくらいだったら
 
俺はメクラになったほうがまだましさ」
 
という切ない歌詞ですが
 
これをアルバムの一曲目に
 
そして盲目のシンガーに歌わせるところが凄い(笑)。
 
「おまえさぁ・・・・」って非常に不謹慎なツッコミを入れたくなりますが
 
これぞ、ブラックでシュールな
 
愛情溢れるバイタリティーだと思います!!
 
唄わせたリック・ホールと
 
素晴らしいフィーリングで唄いきったクラーレンス・カーターに
 
今日も乾杯!!!
 
 
人間たるもの
 
強く生きなくっちゃね。
 
 
 
このアルバムからではないのですが
 
ファースト・アルバム「THIS IS ~」から有名曲の映像を。
 
またCDで再発されているので、是非とも聴いていただきたい名盤です。