MY BEST 「BABY!」 SONG!!

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クラレンス・カーターを取り上げたら、これを書かずしてどうする?!
 
クラレンスの元嫁さん、キャンディ・ステイトンの僕のサザン・ソウル史上、燦然と輝くアルバム「STAND BY YOUR MAN」です。1971年発売のFAMEオリジナル盤。
 
このレコードは以前僕のバンドでドラムをやっていたソウル・コレクターの三宅さんの遺品。譲って頂いてからかれこれ20年以上経ち、聞き続けているので痛みも激しくなってきた。そろそろバックアップが必要だねぇ・・・・・。
 
キャンディ・ステイトンはいまだ現役。76年には「YOUNG HEARTS RUN FREE」というディスコ・ソングがUKで大当たり。その後自分のルーツであるゴスペル・フィールドに戻ったり、クラブ・ミュージックとシンクロしたりして生命力の強さを魅せつけている。ちなみに4回の離婚暦ありだそうで・・・・。
 
でも僕のキャンディはFAME時代の初期のアルバムに尽きるわけで。
 
特にこの2枚目のアルバムは完璧です。
 
いつも言っているのですが、100点満点でいうと7000点です(笑)。
 
絶対棺に入れてもらいたいレコードなのだが
 
まぁ僕も故人の三宅さんから譲ってもらったものなので、これはまた誰かに引き継がないと・・・・ですよね。
 
 
プロデュースはクラレンスさんと同じくリック・ホール。録音はアメリカン・スタジオかな?バッキング・メンバーはクラレンスさんと一緒のマスル・ショールズ+「フェイム・ギャング」のブラッキーサウンドも堪能できます。
 
女性ソウル・シンガーが残したサザン・ソウルというジャンルでいうと、やはり有名なのはマスル・ショールズとの奇跡の化学反応を魅せたアリサ・フランクリンが有名だが
 
なぜかソウル好き以外では全く知られていないこの人は、もっと一般的な評価をされるべきだと思う。
 
若干カントリー寄りの選曲が多いというのが、もしかしたら「黒い」というところにこだわる人達から「軽い」とみなされているのかもしれないが
 
もともと南部とは、そういったあと付けのジャンルや白黒関係なくカントリー、ゴスペル、ブルーズが全て渾然一体となって聴かれていた場所で
 
そういう土壌をもった人達がジャンル分けされてしまった垣根を取り払い、純粋に素晴らしい音楽を作り出そうとしたのが「SWAMP」なのだ、と勝手に解釈している。エルヴィス・プレスリーが生み出されたのもこういった土地の特殊性は関係している。
 
だから、南部から仕事を求め、北部の工業地帯に移住した人達「ブラック」が、自分達のアイデンティティーを確認するためにルーツにこだわりぬいた音楽を進化させてきた感覚とはちょっと違うのだ。マディ・ウォーターズが発展させたシカゴ・ブルーズが、もともとのルーツであるミシシッピー・ブルーズより「黒く」感じるのはそのためだ。自分たちのルーツをより解り易く特化することで、住み慣れない場所での連帯感を強めたのは容易に想像できる。
 
デトロイトの教会で育ったアリサがより黒く感じるのはそのせいで
 
アラバマで生まれ、ナッシュビルのゴスペルフィールドで青年期を過ごした「生粋の南部人」のキャンディが白く感じられるのは間違いではないが、至極当然のことだ。
 
どちらが正しいかなんていう回答は無意味だ。
 
そういった南部の音楽性を、カナダからの客観的視点から再構築したのがほかならぬ「THE BAND」であって
 
だから「THE BAND」はやめられないのであるが(笑)。
 
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で、このアルバム。
 
見事に捨て曲なし。
 
殊勲なのはソウル・バラッド史上最高位に位置する「HOW CAN I PUT OUT THE FLAME」
 
有名カントリー・ソング(ブルーズ・ブラザーズも映画の中で唄ってた)を見事にソウルマナーに仕立てた表題曲「STAND BY YOUR MAN」
 
そして僕の「BABY!ジャンル」でいつも一位の曲「TOO HURT TO CRY」である。
 
「BABY!ジャンル」というのは僕が勝手に作っているもので
 
「BABY!!!」というシャウトやささやきにどれだけの気持ちがこもっているかがポイントなのであるが(笑)。
 
スモーキー・ロビンソンの「OHH BABY BABY」
 
アリサ・フランクリンの「BABY BABY BABY」
 
などが上位曲
 
ポンニチではキヨシローを差し置いて他にないかもね。
 
 
まぁ歌詞は単純なラブソング。
 
「試験に出る熟語」で親しんだtoo A to B「あまりにAなのでBできない」という構文ですな。
 
わかりやすい歌詞もさることながら、ミドル・テンポの最高のリズム・セクション
 
印象的なピアノとギターのリフ
 
ポイントを抑えたホーン・セクション
 
 
「やるせなくて、泣くこともできないじゃないの!!」
 
というあとに恋人にむかって叫ぶ
 
「BABY!!」
 
のチャキチャキぶりは
 
後世に伝えなければいけません。
 
この曲は同じく「BABY!」好きのLヨナさんに昔からカバーしてもらいたかった曲なんですけどね(笑)。
 
頼みますー
 
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なんと
 
そのキャンディ・ステイトンのFAME時代の音源を全て集めたCDが2枚組みで
 
それもちゃんとマスター音源でリリースされるらしい!!!!
 
 
全世界の人類が、一家に一枚以上所有しなければいけないものがまたひとつ増えました。
 
6月リリース予定。
 
買わねば・・・・・・・