POPEYE
雑誌「POPEYE」を買った。
学生時代以来、35年ぶりか?
いや、バブル絶頂期の僕の大学生時代なんて、この雑誌は「イタ飯」とか「DCブランド」とかに特化してたはずだから、かけ離れた生活をしていた僕が買う訳がなく
だから、もしかしたら初めてかもしれない。
なんで買ったかというと、知り合いが何人か出ていたから。
最初は立ち読みで済まそうと思ったんだけど、文字のフォントが小さすぎて、その場で読めなかったんだよね。
これは「作戦」なのかもしれないな(笑)。
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「Magazine for City Boys」と書いてあるんだが、最近のポパイはそういうコンセプトらしい。
今回の特集も「シティ・ボーイ、はじめて1人でバーに行く」
そうか。「シティ・ポップ」といい、今は「シティ」がトレンドなのか。。。。
気持ち悪いな。
時代は巡るというが、まさか80年代が戻ってくるとは思わなかったよな。
Tシャツ・インとかリアルな体験をした(やってた)バブル時代の自分には耐えられないけど。
まぁでも、若者がそれがヒップだと思うのは否定するつもりもないし(どうやらK-POPの影響らしいが)
まぁ、いいか。目くじら立てる問題じゃないわな(笑)。
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で、雑誌の内容。
お酒の知識に関しては、かなり高レベルで網羅している。
僕が生活の糧としていたバーテンダー(?:お酒を提供する人)20年の経験は、
カクテル、リキュール、ウイスキー、ラム、そしてグラスの選び方まで
この雑誌に大体満遍なく紹介されてます。
でもね。
「外で呑む」っていうのは酒の知識じゃないからね。
そういうのは後付けです。なくてもいいくらい。
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まぁ、若いうちは恥をかいてくださいよ。沢山ね。
カウンターの中の人間は、物凄く冷静に人物観察してます。
一発でわかるよ、その人となりが(笑)。
背伸びしようとしてる若者には結構寛大ですよ。自分もそうだったからね。
で、失敗する。間違いをどうやって本人に気づかせてあげるかがそのバーテンダーの腕の見せ所かもしれないな。
勿論、気がつかない奴も沢山いるし
こちらも相手のことを想い図れなくて理不尽なお別れをしたことも沢山ある。
お互い勉強の場所かもしれないな、呑み屋って。
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お店が100軒あったら、100通りのお店のルール(やりかた?)があって
それがあなたに合うかどうかなので、万が一無碍にされてもそれほど問題ではないです。行かなければいいだけ。
でも、その店になにか引っかかるものがあったら、是非とも何度か足を運んでみてください。
上手くいけば縦の関係(お店とあなた)だけじゃなくて横の関係(常連さんたち)もできます。
そうするといろいろ広がるよ、人生が。
それが呑み屋の、カウンターの醍醐味だな。
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独り呑みを始めたのは25,6歳かな?
勿論、数えきれないくらいの失敗を重ねております。
29歳で自分の店を持って、カウンターの中の人間になったけど
たいした経験ないからさ。毎日が戦いですよ。何が正解なのか、まったくわかんないからね。まぁ、これからもそうだろうけど。
でもいいお客さんに恵まれたんだよな。今思うと本当にそう思うよ。あんな面倒くさい店にわざわざ来てくれたお客さんに育てられたんだよね。
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ずっとカウンターの中にいると、わかんなくなっちゃうことが沢山出てきて。
だから店を辞めて「外の世界」を見ることができた6年は貴重な体験です。
僕の人生は「カウンター」なんですよ(笑)。
そこが自分の居場所。
長年店を継続している方々には尊敬しかない。
でも外に飛び出した自分は「プラスα」を頂いたわけだから、世の中に還元しないと。
いい店、できる気がするんだよね(笑)。
あとは物件だけ。もう1年半探してるんだからさ、そろそろ、ねぇ。。。。。
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56歳か。いい歳になったなぁ。
酒を通していろんな人と繋がることができた。
いろんな人生の先輩の背中を見てきた。
カッコいいなぁ、そういう人になりたいなっていうのがあってね。
その空間に同化してて置物のような呑み方してる人。
「寺内貫太郎一家」で篠ひろ子が営む居酒屋のカウンターの一番左隅で、
黙って徳利酒をたしなむ横尾忠則まではいっちゃいけない
手前くらいな粋人(笑)。
あれを完全にオマージュしてた「深夜食堂」のオダギリジョーじゃダメなんだよな。
・・・・こんなこと考えてる時点で呑んべえ失格だな・・・・・・