最近買ったレコード その6
RUBEN BLADES
「MAESTRA VIDA」VOL1&2 1980年ファニア。
VOL.1は初めて見たフランス盤のファニア。750円。
VOL.2は米オリジナル盤。1200円。
「NOTHING BUT THE TRUTH」1988年米エレクトラ、オリジナル盤。
割引で200円(笑)。
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「マエストラ・ビダ」はようやく買えた名盤。ファニア関連も最近はなかなかアナログ盤が出てこなくて(出てきても高い)。やっぱりCDじゃやなんですよ、この辺りは。
ハーレムに住む一族3代の生活を綴る一大叙事詩・・・らしいのだがスペイン語全くわからずで(涙)。。。
でも壮大な感じはよくわかる。
プロデューサーのウィリー・コロンがイントロから響かせるストリングスの重厚
なことよ。
まるでミュージカルのようだ(見たことないけど)。
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ウィリー・コロンのライブは、1988年にニュー・オーリンズのジャズ・フェスで。
ルベン・ブラデスは確か89年だったかな?真夏の日比谷野音で観ることができた。
ラテン音楽という異文化の「熱さ」を体感することができた忘れられない思い出です。
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「ナッシング~」は発売当時、芽瑠璃堂とかでも推してた記憶があって、聴いたことなかったので買ってみた。
で・・・・・んんんん・・・・どうなんだろ、これ?
ルベンさんが全編英語で唄っていて、スティングやらエルヴィス・コステロやらルー・リードとコラボしている。ちなみにドラムはToToのジェフ・ポーカロ。プロデュースはトミーリピューマ等。
「ワールド・ミュージック」ブーム時、確かにこういったクロスオーバーな作品は多かった。
ロック側もいろいろな限界を感じてたのか、そこに活路を見出そうとしていた感はあった。
ピーター・ゲイブエルとかポール・サイモンとかもそうか。
とにかく一気にいろんな情報が押し寄せてきた感じだった。
音楽に対する視野が物凄く広がって有難かったのだが、明らかに売れ筋世界市場を意識してオーバー・プロデュース作品が存在したのも事実だ。
そう。
あの時代「ロックじゃない」ことが「トレンド」だったのだよ。
80年代後半~90年代頭のほんの一瞬だったんだけど。
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だからこの作品は逆パターン。
サルサという、普通の人から見たら「辺境」の音楽のスーパースターが欧米のメインストリームに殴り込みをかけた感じ。
でも、サルサ界でもかなり先端をいってたルベン・ブラデスがここに行くのも必然だったのかもしれない。
それまでの常識を覆す「問題作」は沢山あるからね。
音楽ってその地域(コミュニティー)の繋がりをより強固にする大事なツールだったりするんだけど、
そこに芸術性とか(あんまし好きな言葉じゃないけど)、社会に対するメッセージとか
多分、ブラジルのMPBとかは凄く意識してたんじゃないのかな?
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あの時代から30年くらい経って
結局今の僕にとって一番大事なのは
「今、聴くに耐えうる音か?」っていうことだったりする。
普遍性のあるもの。
それは「音楽」として、時代背景を通り越して成立しているものかなぁ。
言葉がわかる日本の音楽を引き合いに出すと上手く説明できるんだけどね。
英語もスペイン語も母国語じゃないからよくわかんないだけど
そこを乗り越えてくる音の説得力があるから聴き続けてる。
で、気になると歌詞調べたり、その背景を追ったりとかするんだよね。
ボブ・ディランとか最たる例かも。
クラッシュとかポリスとか
プリテンダーズもそうだけど
いまだに聴いてるのは、音楽としての魅力があるから。
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この作品は今の自分の耳にはどうにもそこまでいかない。
ルベン・ブラデスの「シエンブラ」とか「ブスカンド・アメリカ」とか
スペイン語わかんなくても、その音だけで彼がやりたかった革新的なこととか感じられるから、どうしてもそっち聴いちゃうよね。
でも
もう一回くらいは聴いてみるよ(笑)。
当時、リアルタイムでこの作品に接した方たちはどう思ったんだろう?
レコード売ってた現場の人とか
問題作であるのは間違いないので。
で、中村とうようさんはなんて言ったんだろうな???
ということが気になるので、買ってみてよかったです。
なにせ200円だからね(笑)。
でも、あの当時の「ワールド・ミュージック」ブームは
それぞれの立場から総括すべき時じゃないかなって思ってます。
とうようさん、結局そこから逃げた感があるので。
あれがなかったら今の自分の音楽観はないので
そう思うのですよ。