TATTOO YOU

THE ROLLING STONESTATTOO YOU」

 

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1981年ローリング・ストーンズ・レコーズUSオリジナル盤。

80年代のストーンズを代表する大ヒットアルバムだ。

僕が高校1年の時にリリースされて

まぁとにかく影響されましたわな。

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当時はそんなこと知らなかったけど

実はちょっと変わったアルバムでね、これ。

新曲は2曲しかなくて

残りは全部過去の没テイクに手を加えたもの。

特に80年リリースの「エモーショナル・レスキュー」は時代を席巻していたテクノとかニュー・ウエイブに対抗すべくBPM(テンポ)の速いものを優先していて

オーソドックスなロックン・ロールとかはオミットされたんですよね。

それを再編集して

A面はR&RやR&B

B面はスローなバラードやカーティス・メイフィールド、バリバリのニューソウル風やらで構成。

今回改めて聴いてみると

A面の充実度が凄い。

というか。

ストーンズの魔法がわかりやすく提示されてる。

ミックス・エンジニアはボボ・クリアマウンテンなので各音が物凄く整理されて聴きやすいのもミソかも。

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リリース当時

やっぱり話題になってね。

ストーンズでのキースの相棒ギタリストは3人いるんだけど

ロニーとの音作りを確かギター・マガジンでも特集してて

同じようなリフをお互いに弾くんだけどそこのずれでグルーブが発生してるみたいな

リズムギター&ソロギターみたいな棲み分けでない新しいツインギターの在り方みたいなことを書いてあって

「ふむふむ。なるほど。」なんて

高校生の私は研究に勤しんでたわけですが(笑)。

改めて55歳の耳で聴くと

意外とソロ&バッキングの棲み分けはあったりするんですな。

そこまで特殊な関係性ではないんだな。

チャーリーもインタビューで

「ロニーはソロ・ギタリスト」って言ってるしな(笑)。

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まぁ、とはいえ

キースとロニーのお二人のアンサンブルは

シンプルながら唯一無二のもので

でも、そのグルーブをさらに推進させるのがチャーリー・ワッツなんですよね。

それが凄くよくわかるA面です。

皆さんオーディオセットの前で正座して

耳の穴かっぽじってドラムキットの各音を追いかけてもらいたいです。

同じこと一回もやらないから、この人。

一瞬のハイハットの刻みとか

バスドラの使い方とか

リムショットの使い分けとか

まぁ言いはじめたらきりがないくらい

とにかく工夫してます。

ロックン・ロールドラムを目指したいドラマーは

このA面の6曲を徹底研究すればいいと思う。

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余談だが

ビル・ワイマンのベースの変態性についても

このアルバムはよくわかっていいのだよ(笑)。

「お前はミック・カーンか?」

っていうくらいルート音に縛られず自由気ままにどっかに行っちゃてる。

ルーツ・ミュージックを基盤とするバンドマンの中でこの人ほど変態なベーシストもいないかもな。

でも、ライブではひたすらステディなプレイに徹底するんだよね、ビルさんは。

こういうしたたかさがバンドが長寿でいられる秘訣なんでしょうな(笑)。

ストーンズは面白いよ、ホント。

何十年聴いてても新たな発見があるんだから。