旅に出る その1

そして僕は旅に出たのだ。
 
4泊以上は思い起こせば29年ぶりだった。
 
 
1993年、ハワイ~ニュー・オーリンズ~ラフィエ~マイアミ~グアドループマルティニーク~バルバドスっていう旅をして以来。
 
3泊まではお馴染みの相模湖「勝手にウッドストック」ね。
 
 
どれだけ移動しない人なんだろうな(笑)。
 
 
***********
 
 
まず目指したのは鳥取県米子市
 
ここに「ONE MAKE」というライブハウスをやってる(現在休業中)ピコさんという方がいて
 
実はちょっと前に「木下さん、移住してきませんか?」って内緒に誘われていたこともあり(笑)
 
 
そして、このタイミングで吉祥寺の仲間、ハッチ・ハッチェル氏が米子に長期滞在していたのです。
 
ハッチから「一回来た方がいいよ。最高だよ」って昔から言われてて
 
別にハッチと逢うのだったらいつもの吉祥寺でいいんだけれどさ
 
でも、こんなベストなタイミングは今しかないだろ、と米子に向かいました。
 
 
************
 
3月19日土曜日
 
埼玉は吹上を出発。
 
岡山から中国山地を縦に進む「伯備線」が実によかった。
 

f:id:ardigobhoys:20220401231736j:plain

「ポツンと一軒家」っていうテレビ番組で観たと思う「新郷駅
 
これか!!って。一日の乗降者は6人の駅。秘境。
 
川を沢山またぐ路線なんだけど
 
「生山」っていう駅から川の流れが変わるんだよ。逆になる。
 
要は
 
瀬戸内海に向けて流れる川が、ここから先は日本海側に転換するんだよね。
 
些細なことだけど、ちょっと感動しました。
 
 
****************
 
 
米子到着。
 

f:id:ardigobhoys:20220401231841j:plain

チェックインしてから軽く街を散策。
 
夜はハッチのライブ。
 
その前に米子名物「牛骨ラーメン」をば。塩味で。
 

f:id:ardigobhoys:20220401231919j:plain

美味しかった。結構軽いんだね。
 
1ヶ月ぶりに逢うハッチ・ハッチェルさん。
 
でも米子。不思議な感覚(笑)。
 
まぁ、5分でそんなことも忘れましたけど。
 

f:id:ardigobhoys:20220401232305j:plain

ライブ会場で軽く打ち上げして、駅前で開いてる居酒屋でいつものようにアホな話のオンパレード。
 
どこにいてもクダラナ話ばかり。
 
それがしたかったんだけどね(笑)。

f:id:ardigobhoys:20220401232339j:plain

 
*****************
 
 
3月20日日曜日。
 
 
10時半にホテルの前にピコさんとハッチが迎えに来る。
 
今日はピコさんが新しく始めた古着屋「アリエヌーン・サンセット」へ。
 
場所は琴浦町というところ。
 
後日喫茶店で山陰新聞読んでたら
 
全国で移住したい町第2位らしい。
 

f:id:ardigobhoys:20220401233022j:plain

f:id:ardigobhoys:20220401233044j:plain

 

f:id:ardigobhoys:20220401233210j:plain

f:id:ardigobhoys:20220401233231j:plain

56年生きてきて初めて観る日本海雄大だったなぁ。
 
 
海は凄いな。
 
全部持っていかれるというか。
 
ちょっと怖くなったりね。音ね。音。あと色。
 
海なし県、埼玉で生まれ育った僕にはなかなか得難い体験でした。
 
こういうのが当たり前の環境で育ったら自分の人生も随分違ったんだろうなって
 
そんなこと思うけど、時すでに遅しだよね(苦笑)。
 
自分がどういう性質の人間なのかって
 
 
突きつけられたっていうか、再認識したというか
 
 
海が教えてくれました。得難い体験。
 
 
******************
 
アリエヌーン・サンセットでハッチがバイオリン教室をやってる間、
 
結局10時間くらい滞在したんだけど
 
ブラブラ散歩したり
 
湯島さんが調整したギター弾かせてもらったり(凄いわ)
 
訪ねてきたいろんな人とお喋りしたり
 
ボケーっと不思議な時間を堪能しました。
 

f:id:ardigobhoys:20220401233423j:plain

f:id:ardigobhoys:20220401233447j:plain

f:id:ardigobhoys:20220401233509j:plain

f:id:ardigobhoys:20220401233531j:plain





いろんな人が集まってくる「アリエヌーン・サンセット」。
 
変な場所です(笑)。
 
 
でもこれが自分にとっての正常なんだよ。
 
人と人が繋がって生活がある。
 
「立場」じゃなくてね。
 
 
そこに「今」居ることが大事なんだろうな。
 
 
******************
 
 
鳥取県、最後の夜はファミレス「ジョイフル」(笑)。
 
そこしかやってなかったからね。
 

f:id:ardigobhoys:20220401233650j:plain

f:id:ardigobhoys:20220401233718j:plain



 
ピコさん、また行くので面倒見てください!!!
 
ペイ山さん(a.k,a大家)、自慢の魚、食わせてね!!!!
 
 
続く・・・・・・

絵文字に死す

近況報告。
 
3月14日をもって、某ネット通販巨大倉庫の仕事を退職しました。
 
 
と言ったら聞こえがいいが、実際は「クビ」みたいなもんだ。
 
そのいきさつをちょっと書いてみたい。
 
長いよ(笑)。
 
 
 
************
 
 
派遣会社から仕事のシフト希望は2ヶ月前に提出することになっている。
 
僕は1日11時間拘束なので週4日の勤務。日曜日から水曜日までの夜勤である。
 
シフト確定の連絡はすぐ来るのだが、実際は全然違うのである。
 
 
************
 
 
その某有名なネット通販企業が(もう言わなくてもわかるよね)一番重要視するのが
「生産性」ということらしい。
 
 
どういうことか。
 
 
要は一切の無駄を省きたいのである。
 
具体的に言うと
 
その日の物量に合わせて働く人数も調節する
 
ということだ。
 
 
2ヶ月前にシフトを決めたにも関わらず、変更要請は日常茶飯事。
 
一応「自慢」のAIを使って月間予測なんかも作るんだろうが、それに合わないときは働いてる場所まで来て「明日お休みにご協力していただけますか?」なんていうこともしょっちゅうである。
 
 
***********
 
 
僕の3月のシフトも直前で変更になった。
 
それも変更要請の電話が来たのが休日の夜中23時・・・・。
 
強力な力を有する元請けに翻弄される弱小派遣会社の立場も分からんでもない。
 
でもな。さすがに常軌を逸してるというか
 
感覚が麻痺してるんだろうな。普通は23時に仕事の電話を掛けないでしょうよ。
 
 
***********
 
 
その前の週も「金曜日が物流多いので、出て頂けますか?」
 
というのでシフト変更したのだが
 
前日の木曜日に「思ったより少ないので休んでください」だって。
 
 
わかってるとは思うけど、派遣の我々は時給で働いているのである。
 
「休む」ということは「お金が入らない」ということなのである。
 
 
***********
 
 
相当むかついた前週の伏線があっての3月14日の月曜日なのであります。
 
いつものように19時から仕事に就き、一回目の休憩時(21時45分)にラインをチェックすると派遣会社からメイルが入っていた。
 
 
(原文のまま)
お疲れ様です。
木下さんお世話になっております☆
明日3/15(火)お休み募集をしております。
ご対応頂ける場合は25時までにお返事くださいm(ーー"m)
よろしくお願いいたします!
 
 
・・・・・・・おい・・・・今週もかよ・・・・・
 
さすがに頭にきてね。それも星マークに絵文字だぜ。
 
ふざけんなよ・・・・・
 
 
こりゃもう無理だな。とりあえず明日は休んで、後日辞職を伝えよう
 
なんて思いながら2度目の休憩に入ったのが夜中の0時15分。
 
またメイルが入っていた。
 
 
(こちらも原文のまま)
お疲れ様です。
先程のお休み募集の件ですが充足いたしましたので、明日は予定通りの出勤でお願いいたしますm(--"m)
 
 
またも絵文字攻勢・・・・
 
心がキレました、わたし。当たり前だよね。
 
すぐに返信する。
 
 
「明日は休みますので」
 
 
************
 
 
すると約5分後に倉庫に常駐している派遣会社の人が僕の所にやってきた。
 
これも凄いんだけどね。
 
 
なにせ東京ドーム2個分の面積を有する巨大倉庫の中で、一発で僕の居所がわかるんだから。
 
多分常備しなければいけないIDカードの中にGPSが入ってんだろうね。
 
怖いよ。。。本当に怖い。リアル「1984」だよ。
 
管理された社会が現実にある。マイナンバーカードなんか作ったらもっとすごいことになるよ。絶対にやめた方がいい。僕は絶対に作らない。
 
 
************
 
 
「木下さん、この度はいろいろご迷惑おかけしてしまって本当に申し訳ございません・・・・」
 
謝ってくる担当の若いお姉ちゃん。
 
 
でも次には両手をごねごねして
 
「あ、それで・・・明日・・・・何とかなりませんかね???」
 
懲りてない。というか何も響いてない・・・。
 
 
さすがに言ってしまった私
 
 
「いや・・・・、もうこういうのキツイんすよね。振り回し過ぎでしょ?
こっちも生活かかってんだからさ。これじゃちょっとやってられないよ」
 
するとその女史、間髪入れずにこう言ったのだよ。
 
「あーーーーわ・か・り・ました。では今から退職届の書類を持ってきますので、必要事項を記入してください。はい。すぐに持ってきますから」
 
 
瞬殺
 
 
まさに瞬殺
 
 
木下聡之56歳
 
 
絵文字に葬られる・・・・・・
 
 
ジ・エンド
 
 
 
 
***********
 
 
ということで5ヶ月に渡る私の「潜入レポート(byハッチ・ハッチェル)」は終りを迎え、またしても無職となりました。
 
とりあえずね。自分のことは置いておいて。
 
 
日本ていう国は、いや「も」か。
 
とんでもないことになってるんだというのを肌で実感したこの5ヶ月でした。
 
因みにここの職場、最初は短期募集(2ヶ月)で時給1600円だったかな?
 
埼玉県で多分最高時給で人を集めながらそれ以上の勤務を希望する人は3ヶ月以降は1100円になります。
 
凄いトラップだよね。で、さっき言ったように雇用が保証されてるわけではない。
 
みんなが利便さを追求する裏にはこういう異常な労働体系があるのです。
 
 
という僕もプライム会員なのだが(涙)。
 
 
***********
 
 
その前に働いてた工場も大して変わらない。
 
派遣は基本的に2ヶ月ごとに契約更新だった。
 
つまりいつクビになってもおかしくない状況にある。
 
でも3年以上そこで働くと派遣から会社所属の「パート」扱いになることができる。
 
雇用は保証され、福利厚生、ボーナスもつく。
 
でも時給制。それも金額は埼玉県が定めた最低保証賃金となる。960円だったかな?
 
トータルで計算すると、年収はかなり下がる。
 
 
それでもおばちゃんたちは
 
「仕事があるだけありがたいよ」って
 
黙って受け入れている。
 
 
どうなんだろうな、そういうのって。
 
因みにその会社は社員だけで2000人近くいるのに
なんと労働組合が存在しないのだ。
 
これ、相当まずい会社なんだけどさ。そういうのが普通に存在してしまうのが今の世の中なんだなって。
 
今の「連合」とかみてるとなんも期待できないもんね。
 
 
***********
 
 
雇用が保証されない、いわゆる「非正規雇用」が就労人口の4割を占めている今の日本。
 
新自由主義」と言われてる社会制度を日本で作り上げた竹中平蔵はウハウハだろうな。
 
本当は労働者が立ち上がらなきゃいけないんだけどさ
 
さっきの派遣会社の社員もそうだし
 
パートのおばちゃんもそうだけど
 
みんな麻痺しちゃってるしね
 
世の中を俯瞰で見れる人が現場に居ないんだよね。
 
今置かれた自分の立場を守ることで精いっぱいでさ。
 
しょうがないのかもしれないけどね。生活があるから、みんなさ。
 
 
**********
 
 
僕の周りには
 
そういった現在の社会システムを上手く理解し利用して、いい塩梅で自分の居場所を作ってる人たちがいる。
 
それは本当に僕にとってはうらやましいことで
 
何故って、僕は全くできないから(涙)。
 
「この世の中はおかしいんだ!!!」って14歳くらいからずっと叫んでた実はパンクな(笑)自分にに何ができるのかって
 
実は何にもできないんだよ。当たり前だけど。
 
革命なんてもうないからさ。幻想だから。
 
インターネットは革命だけどね、本当に。
 
 
**********
 
 
27歳でサラリーマン生活に見切りをつけて
 
やりたいことだけやろうと呑み屋を始めて20年やった。
 
でもさ、呑み屋っていう環境もかなり特殊なところでね
 
いろいろニュースみても現実感がないっていうか
 
辞めて6年経って経験したことは
 
つまりニュースとかで言われてるリアルな貧困をちゃんと経験したっていうこと
だって
 
 
やりたくない仕事を一生懸命やってもさ
 
僕がもらった平成元年入社時(34年前)の初任給を超えないんだからね。
 
それまでの人生の経験は「派遣」では全く問題にはならないのですよ。
 
ただの道具。でもそれ以外は田舎では仕事ないんだよね。
 
 
*********
 
 
でもさ
 
そういうのを経験してよかったんだよね。
 
僕の「深み」は出てきたと思いますよ(笑)。
 
 
*********
 
 
ということで
 
僕の現場リポートは終り。
 
さて、これからどうしようか?
、と思った時にね
 
 
友達の顔が浮かんだんだよな。
 
知らないけどさ
 
多分、若い時に同じようなこと考えて
 
なんかそのままきちゃった奴ら。
 
それはそれは壮絶でさ
 
そんなの言わなくてもわかるけど
 
そいつらと今喋んないと
 
って突然思って、電話してね
 
旅の日程が決まりました。
 
29年ぶりの旅です。
 
結果、最高でした。
 
 
これは次回に!!!!
 
 
****************
 

f:id:ardigobhoys:20220331002623j:plain

夜勤明け、3月15日火曜日。これが最後だろうな、という上尾駅の朝の風景。
 
もう見たくないね(笑)。
 

f:id:ardigobhoys:20220331002850j:plain

上尾駅駅ナカにある「いろり庵きらく」。
 
なんか「駅ナカ立ち食い蕎麦の名店」みたいなムックに載ってたりしたんだけど。
 
普通にJRが経営するチェーン店であります。
 
「この仕事、最後の日にはここで食べてから朝帰ろうかね」
 
なんて前から思ってたんだけど
 
いざそうなって見るとそんなことどうでもよく
 
素通りして家で自分でうどん茹でて食べました(笑)。

タコ

左手の中指

そこの第1関節のちょうど上くらいにデッカイたこがあるのだ。

 

f:id:ardigobhoys:20220304225129j:plain

 

 




なんでこんなとこに?

これは「グラス磨きだこ」。

ここにグラスの底辺を斜めに当てて、右手に持ったクロスはグラスの中側へ。で、高速で回す。

ふき取るというか、水分を飛ばすイメージだ。

グラスの中側を素手で触ることは絶対にない。手の脂分を移さないようにする。

炭酸を注ぐとすぐわかる。

脂で汚れたグラスは妙な気泡が出てくるんだよね。

勿論、洗うスポンジもグラスとお皿は分けている。

お客さんの席からグラスを下げるときも中をつまむことは絶対にない。

 


********



これは28年前に師匠のチャーリーさんから教わってかたくなに守っていることだ。

チャーリーさんからは本当にいろんなことを学んだ。

そう。

普通の人からすると些細な事

というか気にしていないことを気をつけるのが飲食の流儀なんだよって。

バックカウンターに並べたボトルのラベルの向きは全部合わせなさいよ、とか。

グラスをバックカウンターに置く際は口を下にしちゃいけないよ。マメにグラスを洗ってない証拠だよ、とか。

前にも書いたけど、お釣りを渡す際にはお札の向きはお客さんの方に向けて揃えてね、とか。

とても些細なことばっかりなんだけどさ。

チャーリーさんが言う理由はただ一つ。

「だってそっちの方が気持ちいいでしょ、お互いに?」

それに妙に納得した27歳の僕は

まぁ頑なに守ってるだけなんですけどね。

「そりゃそうだ」って思えることは

実は人生の中でそう多くはないんだよ。

だからチャーリーさんに教わったことは大事にしていきたい。

 



**********

 



最近まで僕の左手にはもう一つデッカイタコがあったのだ。

薬指のつけ根にそれはあった。

5年ほど勤めた前職では、2~300キロくらいある段ボールが載ったパレットをハンドリフトで運びまくる業務だった。

かなりでかいタコができて

いかにも肉体労働者としての体が出来てきた手だったのだがね

あの仕事を辞めて3ヶ月も経たないうちに

それはあっという間に消えた。

不思議なもんです。

 



*********

 



それでも僕の中指第一関節にあるタコは消えない。

たかだか何十グラムのグラスの重みがかかってただけなのだ。

それも現場から離れて6年も経とうとしている。

 


*******

 



固くなるとグルグルって角質をはがしたりしてるのだが

それでもまた元に戻る。

無意識に左手親指でタコをまさぐってるのがすっかり癖になった。

********

そう。

現場復帰を企み始めたのはこのタコも一つの要因だ。

僕の身体が求めてるんだ。

「もっとグラス磨かせてください!!」って。

だから君は消えないんだろう。

それが僕の天職なんだろう。

 



*********

 



今までどれくらいのグラスを磨いてきたのか

それはどうでもいいが

あのタコにグラスを傾けて磨きながら

お客さんの話を聞いてるあの風景

毎日どんな話が出てくるかだれも予想は出来ないけど

あれが僕の「日常」だ。

6年かかったけど

ようやく落としどころが出来た。

つくづく面倒くさい人間だなと客観的に思うよ。

 



*******

 



お~~~~~い

物件!!!

早く出てきておくれ!!!!(笑)。

 

2022年 初吉祥寺

今年2度目の上京。
 
目指すは5ヶ月ぶりの吉祥寺である。
 
 
旅の友は大竹聡さんの新著「ずぶ六の四季」。
 
表紙は牧野伊三夫氏だ。
 

f:id:ardigobhoys:20220227015248j:plain

 
大竹さんの吞み姿勢、よく捉えてますな。
 
でも牧野君、髪の毛盛りすぎだよ(笑)。
 
 
ただただ呑んでるだけのエッセイ集だが、そこには粋がある。
 
人の弱さや間違いを受け入れる度量は酒から学んだ。
 
寛容さを持つことが豊かな人生だと思ってる。
 
まだまだだって?そうだよね(笑)。でも歳とって随分成長したと思うよ、俺も。
 
何故そんなに吞むのかなんて野暮なことは言っちゃいけない。
 
 
山内のオッサンの話しも出てくるよ。いい弔いになったな。
 
大竹さん、ありがとうございます。
 
 
********
 

f:id:ardigobhoys:20220227015317j:plain

新宿経由なので、毎回寄らざるを得ないBERGで遅めの昼食をとり
 
いざ、久しぶりの吉祥寺へ。
 

f:id:ardigobhoys:20220227015340j:plain

今回も不動産屋さんへのごあいさつ。
 
 
物件、全然出てこないっす。
 
焦り・・・・んん、ないといえばウソですな。
 
1年は覚悟してたんだけどさ。
 
 
今の仕事を続けて物件出るまで待つのが、かなりメンタル的にキツクなってきたのは事実だ。
 
 
まぁ、このひと月くらいで自分なりの何らかの決断が出るかもしんないなぁって
ちょっと思ってますが。
 
さてどうなるか・・・・・。
 
 
*****************
 
 
八幡様の裏辺りを歩いて空きがあるか調べて回る。
 
 
八幡様の横にある「小野耳鼻咽喉科」。

f:id:ardigobhoys:20220227015422j:plain

吉祥寺では有名な老舗の病院だ。おじいちゃんの院長はどの患者さんにも
 
「とにかく風呂に入るな!!!風呂に入ったら治るものも治らん!!」って言う。
 
お元気かな?
 
 
八幡様の裏にある小さなイタリアン・ビストロ「バンビーナ」。

f:id:ardigobhoys:20220227015453j:plain

吉祥寺で一番美味いイタリアンである。
 
ここ以外は行かなくていいと思う。
 
イタリアンを肴に赤ワインを楽しみつつ・・・なんて15年くらいやってないけど(笑)。
 
ここの店主もかなりおかしいのだが、まぁそれは別の機会に。
 
腕は確かだよ。本当に美味い。
 
 
*****************
 
 
夜は・・・
 
まぁ呑みますわな(笑)。
 
沢山喋ったよ。普段ネットには絶対書けない仕事のことも沢山ご報告した。
 
ちょっとすっきりしたわ。
 
平日呑みだったので、自由業のお方々と在宅勤務の友人がいることの有難さを実感しました。
 

f:id:ardigobhoys:20220227015532j:plain

この日の一番の格言は
 
ゴッドファーザーはリゾートだ」byハッチ・ハッチェル
 

f:id:ardigobhoys:20220227015607j:plain

 
 
***************
 
 
物事が動くいいきっかけになるかもしれないな、この日の呑みは。
 
呑んでる時に物事は動くのだよ。
 
 
なんてな(笑)。

56歳

2月15日で56歳になった。
 
 
昔からあんまし祝い事に慣れてなくて
 
この日も普通にその日をいつもの巨大倉庫の中で迎えた。
 
それはもう
それでいいのだ。
 
でも実は56歳って
 
僕の中で特別な年齢なんだ。
 
 
そう。
 
 
高田渡さんが亡くなった歳である。
 
17年前に「渡さんはどんな景色見てたんだろうな、その歳で」とづっと思いながらここまで来た。
 
同じようなことを考えてた時が過去にもあった。
 
 
40歳の時だ。
 
そう、もちろんジョン・レノンが亡くなった歳。
 
 
で、なにか違って見えたのか?
 
 
いや、別に変らなかった。というかよくわかんなかった。
 
人間が歳を重ねることでその人が根本的に変わるわけがないんでね。
 
 
多分、僕の精神構造は14歳の時から止まったままである。
 
相変わらず世の中と上手くやりくりできないし
 
嫌なものは嫌なままである。
 
でも
 
流石にその許容範囲というか
 
なんとか流していける処世術は
 
少しは身についてきたんだろうな、って思う。
 
ほんの少しだけだけどね、みんなよく我慢できるな、生きていくために。凄いよ。僕は無理(涙)。
 
 
**************
 
 
自分の親が56歳の時にどんな風景をみてたんだろうかね?
 
 
親父が56歳の時、僕は27歳だ。
 
僕が会社を辞めた時だ。
 
「呑み屋やるんだ」って宣言した時だ。
 
ほぼ下戸な親父は意味わかんなかっただろうな、このバカ息子は。
 
 
******
 
 
おふくろが56歳の時、僕は29歳だ。
 
ハバナムーンを開店した時だ。
 
来月83歳になるうちのおふくろは、僕と喋るとき、未だに「お母さんはね」っていう。
 
そういうもんなのかね?
 
 
********
 
 
去年の1月4日に103歳11ヶ月で大往生した婆ちゃんが56歳の時
 
僕は7歳だったんだな。
 
熊谷の榎木町の長屋で一人暮らししてた時。
 
あの家に遊びに行くのが結構好きだったな。
 
夜ご飯は決まって「焼肉」。
 
豚の小間切れをキャベツとネギで炒める。
 
味付けは「エバラ焼肉のたれ」
 
これが僕の「焼肉」なんだよな(笑)。
 
 
**********
 
 
56歳か。
 
何年か前に山内のおっさんが亡くなった時に献杯してて
 
自然と「まぁ渡さん越えしたんだからさ(年齢ね)、山内さんの人生も良しとしてあげないとな」
 
みたいな話が自然と出てきてね。
 
僕らの中では56歳まで生きるというのが何となくひとつのアイコンになってたかもしれない。
 
僕だけかもしれないけど。そんなこと感じてたのは。
 
「僕ら」というのは
 
店でやってたサッカーチーム「ハイトーンズ」のことね。
 
渡さんはそのチームの永代名誉顧問なんですよ(笑)。
 
この話はまた改めて。無茶苦茶面白い話満載ですので。
 
 
*******
 
 
そんな感じでとにかくいつもとは違う特別な年齢なんですわ
 
56歳は、ね。
 
この1年は丁寧に生きていきたいと思ってます。
 
最近。一番大事にしなくちゃなって思ってるのは
 
「ユーモア」かな?
 
とかく物事を真剣に考えちゃう自分が忘れがちなこと。
 
何事もユーモアがないと
 
人生世知辛いものになっちゃうよなって
 
心の余裕持たないとね。
 
 
********
 
ということで
 
これからもよろしくお願いいたします。
 
 
*********
 
写真1枚目は56歳を迎えて最初に観た朝焼け(焼けてないけど)。

f:id:ardigobhoys:20220220140756j:plain

子供の頃、自分の部屋だった2階から観た風景。
 
18歳の僕はここから出ていきたくてしょうがなかったんだよな。
 
 
2枚目は幼稚園からの幼馴染を例の店に呼び出しての中華三昧。
 

f:id:ardigobhoys:20220220140818j:plain

久しぶりに人と対面で喋れて楽しかったなぁ。ありがとね。
 
それにしても老けたな、顔・・・・
 
56歳とはこういうことか(笑)。
 
 

世界・わが心の旅

たまたまYouTubeで見つけた番組。
 
こんなのあったの知らなかった。
 
そういや渡さん「ドイツ行ったんだよ」って言ってたな。今思い出した。
 
 
2002年。酒止めてた時だと思う。
 
目が違うもんね(笑)。
 
なんかこの時期にこれ観れて良かったな。
 
 

外で呑む

夜勤明けの雪。
 
早起きして(と言っても15時くらいだが)雪景色の吹上町を久しぶりに満喫したくて
 
あと手元に1200円しかなかったので、駅前の銀行に行かなければいけないのと
 
そんな訳で4時間ほどの睡眠で外へ繰り出したわけだが。。。
 
 
なんだ、もう雨じゃん(涙)。
 
 
でも「雪の日に味噌ラーメン」が頭から離れなくてね。
 
 
いつもの「あさひ飯店」に行く。子供の頃からあるが、店に入ったのはこっちに戻ってきてから。
 
もう普通の町中華の店なんだけど、二代目の主人はなんと赤坂四川飯店で修業してた人!!
 
町中華の値段を崩さず、ありものの食材で
 
でもちょいちょいこだわりがある、大好きな店。
 
 
しかし
 
 
行く時間が早すぎた。まだやってない。
 
そこから自転車で10分ほど鴻巣方面に行くとニトリの隣に「麺房長谷川」という美味しい札幌ラーメンの店があるのだが(西山製麺の麵使用)
 
 
雨の中、そこまで頑張れそうもない。
 
 
仕方なく吹上方面へ国道17号を戻り、もうチェーン店の「くるまやラーメン」でいいやって
 
これがまた電気工事かなんかで開いてない。
 
 
なんだよおい(涙)。
 
 
もうどうでもよくなって、隣接する中華屋さん「金福楼」に入る。
 
家の近所だからあるのは知ってたけど入ったことない。
 
でもこれが大ヒット・・・・いや「大」じゃないけど(笑)。
 
 
********
 
 
まず酒が飲める。
 
このご時世に大事なことだ。ホントに。
 
 
サイゼリア、見習えよ(笑)。
 
 
ウーロンハイ、ちゃんと甲類焼酎の味がする。つまり薄くない。
 
ここも大事なポイント。酷いんだから、チェーン中華屋の薄さったら、ね。
 
 
********
 
 
そして場末感は完璧だ。
 
国道沿いの広めの中華屋。
 
外の景色は行きかう車とギラギラした電装広告板&みぞれ雨
 
店内の角にあるテレビの中ではテレサ・テンが中国語で谷村新司「昴」唄ってるし。
次の曲はドルチェなんとかガッバーナだったぞ。
 

f:id:ardigobhoys:20220211051735j:plain



 
 
おいおいいい感じだな。
 
 
学校帰りかなんかわかんないけど夕飯でラーメンをすする母娘
 
 
ウイスキーのボトルをグイグイあけながら仕事の愚痴を言い合うおばさん二人組

f:id:ardigobhoys:20220211051758j:plain

 
次の旅行の計画を立ててる中年カップ
 
 
仕事帰りなんだろう。作業着のまま入ってきてまずは生ビールを飲みほして独り
「ウィ~~」って言ってるオッサン
 
 
*******
 
 
毎日酒を呑んでる
 
基本は独りだ。家でね。
 
 
こんなご時世だからなかなか外にも出れないし。
 
それでも外で呑みたいんだよね。
 
 
各テーブルにそれぞれの時間とそれぞれの人生があって
 
そんな中に自分もすっぽりと収まってる感じが物凄く好きなんですわ。
 
歳重ねてよかったなって思う瞬間です。
 
それがないと心のバランスがとれないんだよね。
 
 
********
 
 
ウーロンハイ3杯
春巻き
餃子
砂ぎもの和え物
酢豚
で2800円
 
家から自転車で5分圏内にいい店見つけました。
 
 
これから呑み屋として重宝するでしょうね、私は。
 
重松清の小説が進むのなんの(笑)。
 
 
*******
 
 
吉祥寺に「中華街」っていう店があって
 
まぁみんなが知ってる22時間営業のどうしようもない店なんだけど
 
けど、困った時の中華街でさ
 
器がでかいというか
 
あそこがないと本当に困るというか
 
街にひとつ
 
そんな店がないとダメだよね、やっぱり。
 
 
吉祥寺は昔「大茂」が全てを受け入れてくれてたな。ありがたかった。
 
無茶苦茶だった「やよひ」と「大陸」がなくなっちゃった高円寺は大丈夫だろうか?
 
阿佐ヶ谷は「暖流」がある限り永遠だ。
 
 
*******
 
 
吹上に戻ってもう6年。
 
自転車で5分圏内にようやく居心地のよさそうな店を見つけたな。
 
駅前の「とりたき」は最高なんだけど、コロナ禍で今やってないしな。
 
 
********
 
 
外で酒を呑む。
 
僕の人生で物凄く重要なパーツだ。
 
 
独り呑みは大好きだけど
 
外で人と喋って呑んでつまんで
 
それはもっと好きだな。
 
 
 
もう少ししたら戻るんだろうか