22日(水) UNO DOS TRES!!

イメージ 1
 
まったくもってありがたみのないジャケットだこと(苦笑)。
 
このジャケの主は、テキサスのダグ・サーム率いるサー・ダグラス・クインテットの83年のライブ盤でございます。レーベルはタコマ。オリジナル・・・というか再発なんてないんじゃないか?(笑)。
 
テキサスの首領、ダグ・サームさん。残念ながら数年前に鬼籍に入ったが、この人がルーツ音楽に残した功績は計り知れないのです。
 
TEX-MEXアコーディオンの神様、フラーコ・ヒメネスを世間に知らしめたのはライ・クーダーより先じゃないかな?晩年にはそのフラーコ、テキサス3連バラディアーのフレディ・フェンダー、ミスターヴォックスオルガンのオーギー・メイヤーズと「テキサス・トルネードス」というTEX-MEX界のスーパー・バンドを結成し、素晴らしいアルバムを何枚も残してくれた(一度来日もあり)。
 
リリースしたアルバムは数知れず。コンプリートコレクションとなると結構大変です。見れば購入してますが、なかなかに難敵(笑)。
 
その音楽の特徴は「究極のワンパターン」です。
 
ロックン・ロール、ブルース、シャッフル、ルイジアナ3連バラード、ポルカ、ワルツ、カントリーと、これだけを終生延々と繰り返したお方。・・・・・でもはっきり言ってこれだけあれば十分なんですけどね(笑)。
 
このアルバムも、いつものようにいつもの曲。
 
でもねぇ、いつ聴いても最高なんだからしょうがないんですな。
 
歳をとるとこういうものに近づいていくんでしょうかねぇ?
 
冒険するよりも、気に入ったものを延々と繰り返していくことに、僕も美学を感じる次第。
 
彼が終生愛した相棒ギター、フェンダーテレキャスター・カスタムは最後はほとんど塗装も剥げ、すっかり貫禄が出ていました。こんな人に抱かれたあのギターは幸せ者です。
 
でもこのライブ(83年)くらいはちょっと迷いも見えたりして。
 
第2次ブリティッシュ・インヴェンションの影響を受けてか、ポリスの「見つめていたい」をもっとニュー・ウエイブ風にカバーしてたりするのですが、出来は「?」です(笑)。当時のライブ映像を持ってるけど、結構笑えます。
 
でも考えてみたら、サー・ダグラス・クインテットの初期大ヒット曲「SHE'S ABOUT A MOVER」はビートルズの「SHE'S A WOMAN」にインスパイアされた曲だし。
 
そう考えると、これも初志貫徹であるかもしれません。
 
そう、英国よりのシャープなR&Bサイケデリック、パンキッシュというのもテキサス人のもうひとつの顔なのであります。奇人変人目白押しです!
 
一見ワンパターンなテキサス・ミュージックですが、相当な奥の深さを持ってるんですな。