「戦後史の正体 1945-2012」  孫崎享著 創元社 1500円

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これはね、鈴木の常吉さんにお借りしたんですけど

もう面白すぎて、店が暇だったというのもあり(苦笑)一気に読んじゃいました。


読んでいる新聞媒体が東京新聞だというのもあり、

普段から「こりゃおかしいだろ?」

ということに直面しながら、生活することに勤しんでいるわけですがね。


原発が何故なくならないのか、再稼動に向けて準備されるのか?


絶対不利益なTPPに何故参加するのか?


沖縄から基地が何故なくならないのか?


食の安全は何故にここまで無視される傾向にあるのか?


圧倒的支持を受けた民主党政権は何故ゆえあそこまで早く崩壊したのか?(もうないでしょうね)


普段から全くもって疑問だらけのことがあるのですが、


なんとなく、これは米国の策略なんだろうなぁ、って。

日本は敗戦国であり、


きっちり再考しなけりゃわかんないだろうなぁ、この社会構造は

と思っていた矢先にこの本に出会いました。


もう「どつぼ」です(笑)。


目から鱗」とはこのことです。



「歴史」というのは過去に起きた事象であります。


それを考察することは現在を生きるために非常に大事なことだと思ってます。


それが未来に繋がる。


だからこそ、昔から「歴史学」なるものが存在するのです。


それにはいろんな見方があって


そのどれが正しいというものは存在しない、と思ってます。


あくまで考え方、捉え方の違いです。

そういった意味では「右」でも「左」でも関係ないのです。

ただその事象に対して、自分がどういう見方をするか。

それが生き方であり、未来への指針なのではないかな、と思ってます。


あとは、「合う」か「合わない」かだけ。


だから僕は反対の立場の人と喋るのが大好きです。


だってそのことについてどう考えているのか知りたいから。

「あぁ、そうい見方があるんだ。でも僕はこう思うけど、どうよ?」

っていうのがコミュニケーションじゃないのかな?


まぁそれで「面倒くさい人」と言われるのでしょうが(笑)。



著者の孫崎さん、

僕はテレビをほとんど見ないから知らなかったのだけれど、有名な方みたいですね。この本も結構売れたみたいだし。


元外務省のバリバリ「現場」にいた人らしく、なのでものすごく僕には説得力があります。


日本は戦争に負けて、アメリカの統治下に置かれ、戦後処理としてGHQなるものが立ち上がり・・・・・というのはさすがに学校でも習いますよね。


でもそういった事実は知っていたとしても、なにせ日本の学校での歴史教育は縄文弥生から始まるので、3学期には全然時間が足らず、近現代史はほとんどスルーというのが現状ですよね?皆さんもそうだったと思うけど。


今を生きているんだから、本当は近現代史から遡るのが正しい歴史教育だとずっと思ってます。縄文弥生なんて考古学マニアが知ればいいだけの話しです(笑)。それはそれでとても面白いのですが。なにせ、実家の近所は「埼玉古墳群」と「石田堤」ですので。


GHQ

もっと勉強しなければいけないのですが

これが敗戦後の日本を決定づけたんだろうな、って昔から思ってました。



特に教育問題。


詰め込み教育」により、日本人が「考える」という行為を弱体化させた。

そして食問題。


何故ゆえ、学校給食で牛乳を飲む習慣をつけたのか?

これに関してはここでは深く掘り下げませんが、そもそも牛乳は日本人には向いていない食材です。

本来タロイモを主食にしていたポリネシアン、ミクロネシアンの人々がアメリカ型食生活(肉食)を強制されたが故にあの人たちは肥満になったのです。もともとハワイの人たちはあんなに太っていたわけではありません。

これは別の機会に書くとして。

まぁこんなのも音楽と食を通じて文化の背景に触れられた副産物なのですがね。


著者は敗戦後の日本の政治型を

「自主」


「追随」

に分けて考察しています。


「自主」は積極的に現状を変えようと米国に働きかけた人たち

「追随」は米国に従い、その信頼を得ることで国益を最大化しようとした人たち


この見方で考察すると、「自主」を主張する首相や重要人物はものの見事に「抹殺」されてます。


直近でみると、鳩山由紀夫、細川、小沢一郎そして田中角栄などなど。


抹殺のしかた

それも露骨です。


昔から不思議だと思いませんでした?


陸山会事件


等々。

「このタイミングなんですか???!!!」

っていうくらい不思議と検察が告訴する。


普通に考えて「なんかもしかしたら裏があるんじゃないの???」って普通の人は考えますよね?


みのもんたの次男逮捕も、原発批判を繰り返した時のことだし

「手鏡」植草も、当時の経済学のライバル竹中平蔵が入閣してからだし

ワイン好きな中川さんもあのタイミングで死にますかねぇ????


と世の中にはアンタッチャブルなことだらけなのですが


そういう「闇」の社会を

元外務省という現場からかなりリアリスティックに描いてます。


60年安保の際、反体制の学生側にCIAを経由した経団連よりから資金援助が出ていたなんてねぇ・・・・・


一般的な世論の「吉田茂」「岸信介」とは正反対の論もすごく興味深かったです。


上記に挙げた僕の疑問も、この本を読むと全て合点がいきますね(笑)。


日本は未だ米国の実質的植民地なのです。


それをまず認識しなければいけない。


「じゃぁ、なにやってもだめじゃん」

と言うかもしれませんが、

一応形式上「民主主義」というものは勝手に作られた憲法上「保障」されていますから

それは少ないながらも「可能性」はあるんだな、と思ってます。

諦めるのはつまらないですよね。


市民運動」を自認している方々は、正論が先走る故、現状認識が少し足らないのではないかと僕はいつも思ってます。


そういった考えの方を否定する気持ちはさらさらないのですが(僕もどちらかと言えばそちら側なので)

ただ現状認識は本当に大事です。


それを踏まえた上で、我々が意見を言える現段階で唯一の「権利」である選挙投票を軽んじてはいけないのです。


そんなことを読了後に思いました。


「今ってなんだかなぁ・・・・」

ってうっすら感じている方には是非読んでいただきたい。


著者の「安倍晋三論」を是非読んでみたい。


お爺さんである岸伸介のこの人の新たな見方を知ると

もしかしたら、安倍はもう一枚「裏を感じて」行動しているのかな?と

思ってしまうのも本音です。


それにしても

最近の政治家っていうのは品格がないねぇ・・・・


そして「無表情」ですよね。

首相も官房長官も。

各電力会社の社長も。


石破さんだけ、軍事問題で興奮すると眼球が中心から離れていく(笑)。




結論。


とにかく今起こっていることに興味を持ちましょう。


それにはそれなりの理由があるので、過去を学びましょう。


そして

選挙に行きましょう!!!!!