3月4日(金) SINGS

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いや~。ようやく再開です。
 
一年で一番憂鬱な仕事、確定申告が終わりました。
 
今年は奇跡的に早く終わったのですが、
 
まぁ、毎年の事ながら、具体的な数字を見ると、この不景気を実感し、来期に向けていろいろ考え込んでしまうのです。
 
そして、その間にも日本の政治は取り返しのつかないことになっており・・・・
 
自民党による、票集めのことだけしか考えなかった農業政策の根本的矛盾が、
 
民主党のTPP参加の是非で浮き彫りになり
 
まさに日本の根底が完全崩壊しかねない状況の中で
 
「食べる」ということに関わる仕事を選んだ僕に、この状況で出来ることはなんだろ?
 
とか
 
本気で考えたりして
 
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ということで、頭だけはフルスロットルで動いていたこの2週間でした。
 
こういう混沌とした頭をリフレッシュしてくれるのも「音」だったりします。
 
それも、静かにリセットしてくれるレコードにもう一度対峙したくなる。
 
自分の立ち位置の再確認です。
 
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そんな今日の一枚は、
 
まさに自分のための一枚。
 
エスト・コーストのトランペッター&シンガー、チェット・ベイカーの大名盤「SINGS」です。
 
オリジナル・リリースは56年。
 
僕の持っているのは東芝から出たやつで、大学生の時に買ったモノ盤。
 
でも聴いてたのは、ダビングしてもらった90年代にリリースされたリマスタリング・モノCDです。
 
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このアルバムはいろんなものが存在して
 
まずはオリジナルはアナログの10インチ。ジャケはモノクロ。
 
それから上記のようなカラー3色刷りの12インチがあって
 
ジャケ違いで、チェットさんがギターを持ったやつ。これはステレオ盤で、ジョー・パスのギターがダビングされている
 
などなど。
 
オリジナル盤はとんでもなく高価でまったく手が出ないシロモノだが
 
オリジナルマスターに限りなく近づいた音で聴きたいというのが本心ではある。
 
4半世紀前にリリースされた僕のアナログ・モノ盤は、ヴォーカルにリバーブが効いてデュアルになっている印象だが
 
CDではもっとシングルでデッドに聴こえてくる。
 
ダビングしてもらった90年代前半のCDの他に、一昨年くらいにも24ビットリマスタリングCDで再発されていて
 
これが一番近いのだろうか?
 
買ってみないとわかんないよな
 
でも比較対照がない(笑)。
 
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こんな些細なディテールまで気になるくらい、このレコードはウエストコースト最良の
 
実に丁寧な音が詰まっている名盤だと思います。
 
 
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確かアナログを購入したのは、渋谷の東急本店の向いの地下にあったレコード屋だ。名前も覚えてないが。
 
渋谷パルコでやった彼のライブにも足を運んだ。
 
「彼の大ファンだ」と公言していた、現都知事の弟がまだ生きていた時だ。
 
椅子に座り、ゆっくりと唄を歌い、ペットを鳴らしたチェットさんは、他のメンバーにソロを譲ると必ず舞台袖に引っ込んで鼻をかんでいた。
 
花粉症ではない。
 
そう
 
典型的な○カイン中毒者の症状であります・・・・・・
 
彼の最後は、確かホテルかマンションから転落したのだ。絶対ラリッてたんでしょうねぇ。
 
人生の最後なんて実にはかないものだ。
 
でもこれだけの音を後世に残したチェットさんが、それで否定されるもんでもない。
 
このアルバムは
 
ご多分に漏れず、それこそ何十年と聴き続けているけど
 
 
いつだって僕の立ち位置を、もう一度確認する手助けになってくれている。
 
こういうレコードに出会えたことを感謝しなければいけない。
 
 
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