2011.11.8 Vol.10 松田ari幸一&古橋一晃

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アリさんのライブを横で観ていて、こんなことを思い出した。
 
 
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うちのお客さんで、アコーディオンを購入しようとしている娘がいるのだが、どんな種類を買っていいのか迷いまくっている。
 
アコーディオンという楽器は、その昔PAシステムなどない時代、より大きな音が出せて持ち運びが軽くて便利だ、ということでジプシー達の楽団が重宝して世界中に広まった楽器だ。
 
そしてその地域の音楽のスタイルに仕様をあわせ、各地で独自に発展していった。
 
弾き方も違うし、ボタンの並び方も違う。
 
その地域の音楽のマナーに忠実になろうとすれば、その地域で弾かれているアコーディオンを購入するしかないのである。
 
 
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アリさんの盟友でもある、ギタリストの中川イサトさんと飲んでたとき、イサトさんがこんなことを言っていた。
 
「俺はピアノが大好きだ。左手でベースや伴奏をしながら右手でメロディを奏でることが出来る。でもピアノを弾こうとは思わない。ピアノが出来ることをギターでやってみたいんだ」
 
 
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ジプシー・ジャズ・ギタリストとして有名なジャンゴ・ラインハルトは、火事に遭ったため、左手の薬指と小指に障害を負ってしまった。
 
でも、そのために独自のコード・ヴォイシングと運指とトーンを生み出した。
 
 
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アリさんがメインで使っているハモニカは穴が10個しかない。
 
ということは、吸って吹くので全音で20音しか出ないということになる。
 
ある意味、実に不自由な楽器なのである。
 
ハモニカでも、たくさんの音階が吹ける「クロマティック・ハーモニカ」というものがある。半音階が簡単に出せ、ものによっては4オクターブ出せるものもある。
 
でも、あえてアリさんは10ホールハープにこだわるのだ。
 
 
10ホールハープというのはキー(長短調)によって、それぞれ別のハープを吹くのだが、
 
時には、その調ではないものを使ってブルーノートを出したり、2つのハープを手に持って一曲で別のハープを吹き分けたり
 
「ベンディング」というテクニックで半音を出したりして、その不自由さを補っているのである。
 
 
 
タンゴ、フォルクローレアイリッシュ・トラッド、ブルーズなどなど
 
アリさんが奏でる音楽のスタイルは多義にわたるが、
 
全ては個性的なでまさにオリジナルな、「無限の音」としてなんの違和感もなく僕らの耳に届いてきた。
 
 
 
不自由さを逆手にとること
 
 
これこそ、自分の「音」を確立することなのかもしれない。
 
 
そして、アリさんがこのちっちゃな楽器にこだわる理由は
 
シンプルな構造ゆえにダイレクトに感情表現ができること。
 
手の置き方ひとつで音色が変わるこの10ホールハープは
 
ひとたび「乗りこなせ」ば
 
まさに「声」以上の表現手段を手に入れることが出来るのだ。
 
 
実際、僕にはその音の向こうにあるたくさんの無形の「言葉」を感じたんです。
 
こういうのは「ナマ」じゃないとわかんないかもしれないけど、ね。
 
とまぁ、大先輩の了承も得ず、勝手に僕が「こうだろうなぁ」と感想を述べてます(笑)。アリさん、すみません!!
 
 
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この日のライブ、アリさんのこと知らないうちのお客さんが何人も来てくれて、
 
そしてみんながニコニコした顔で帰っていった。
 
アリさんのハープの音色に吸い込まれるように集中して、開放されていくみんなの顔は抜群に素敵でした。
 
本当に来ていただいてありがとうございます!!
 
音楽は「知識」じゃない。
 
感じるもんだよな、って当たり前のことを再認識した次第。
 
 
そして、そんなライブをやっていただいたアリさんの底力に改めて感謝です!!
 
この素晴らしい音をもっとたくさんの人に聴いていただきたい。
 
 
またやらせてください!!是非ともお願いいたしますー
 
 
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そして、サポートしてくれたギターの古橋一晃さん。
 
押し引き加減のバランスが絶妙で、ホント聴いてて気持ちよかったです。
 
ツボというツボを全部押さえられました。
 
今度是非深酒しましょう(笑)。無茶苦茶たくさんギターの話したいです!!
 
 
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この写真、ライブ後の打ち上げではありません。
 
1部と2部の間の休憩中の
 
なぜだかホンワカと進行していた「座談会」の様子。
 
こんなのなかなかないっすよね(笑)。
 
 
アリさん、古橋さん、来ていただいたみなさん
 
本当にありがとうございました!!
 
10回目の記念すべきライブにふさわしい
 
いや~ほんとにあたたかくていい夜でした。。。。。。
 
 
 
 
当日の写真が僕のFacebook上にアップしてあります。よかったらのぞいてみてくださいまし。