7日(火) もっともっと

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H太郎との深夜のライブ盤鑑賞のあと、片付けてなかったこのアルバムを本日はもう一度。
 
小坂忠とFOUR JOE HALFの72年のライブ・アルバム。日本コロンビア、マッシュルーム・レーベルのオリジナル盤。
 
「これ誰ですか?」って、かけてると必ず訊かれるのがこのお方。あんまり知られていないのですな、残念ながら。
 
小坂忠さんはこんな人です。
 
細野晴臣松本隆はっぴいえんどを結成する前にやっていたバンド「エイプリール・フール」のヴォーカリスト
 
ホントはこの人がはっぴいえんどのヴォーカリストになる予定でした。
 
71年に名作「ありがとう」を発表。このバックははっぴいえんど。細野さんとジェイムス・テイラーに夢中になっていた頃に作ったこの作品は、実は「風街ろまん」とほぼ同時進行で録られていた。要は「うら風街ろまん」なのです。
 
75年にはソウル色がつよい「ほうろう」を発表。こちらのバッキングはまたもや細野さん率いる「ティン・パン・アレイ」。日本を代表するメチャクチャファンキーなソウル・アルバムです。
 
現在は秋津で牧師さんをやりながら、最近でも唄を唄い続けています。ほとんどの活動はゴスペル中心ですが。
 
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このアルバムは「ありがとう」発売後のライブ。バックの「フォージョーハーフ」もやはり学生時代の細野さん周辺の人達で構成されております(ちなみにフォージョーハーフは「四畳半」からの造語。ナイスなネーミングです)。
 
といってもその後の日本の音楽シーンを作り上げるとんでもない方々ばかり。
 
ドラムに林立夫(ティン・パン・アレイ、パラシュート他)、ベースに後藤次利(ティン・パン、サディスティック・ミカ・バンド秋元康と組んだおニャン子クラブの作曲は有名。前嫁は現竹中直人夫人の木ノ内みどり、現嫁はおニャン子河合その子)、キーボードは松任谷正隆(いわずと知れたユーミンの旦那さん)、スティール・ギターに駒沢裕城(日本のトップ・スティール・ギター奏者です)。
 
スタジオアルバム「ありがとう」とは随分違うファンキーなアプローチの演奏は、まさにジェイムス・テイラーのバック「セクション」を髣髴とさせる出来です。
 
「機関車」の歌詞はゴスペルそのもの(といっても当時はクリスチャンではなかったが)。渡さんも「この曲はすごいよ。大好きでよくラジオ番組でかけていたんだ」と言ってた。
 
「ありがとう」は細野さんの曲。歌詞は谷川俊太郎から影響を受けたらしい。ギターリフは、まんまモロの曲があるのだが・・・・・なんと失念(笑)。今レコード棚を見てみたが、どうしても思い出せません。まぁそのうち「あー、これだ!」と思い出すでしょうからそのときにまた。そんなことはどうでもよく好きな曲ですけど。
 
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ちょっと前に出た忠さんの自伝「まだ、夢の続き」を読んだ。
 
大好きなアルバム「ありがとう」「もっともっと」の時期のことを知りたかったので。
 
けど当時の音楽活動について語られているのは最初の4分の1程度で、残りはクリスチャンとしての活動についてだった(笑)。まぁ当たり前か。そっちの活動のほうが長いのだから。
 
その少ない情報の中、この2枚のアルバムについて語られていたのは「あんまし好きじゃない」だって(笑)。忠さんはソウルが大好きで、こういう押さえた唄い方は当時の流れの中で模索していた結果で決して自分本来のものではない、と。やっぱり「ほうろう」以降のソウルフルな唄い方が納得できるのだそうだ。
 
「作品」と本人の「意思」っていうのは必ずしも一致しないんですねぇ、いまさらながらですが・・・・・。
 
けど、僕はこっちのほうが断然好きなんですけどねぇ・・・・・・。