朝が来る時

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なんだかライブに向けていろいろ張り詰めていたのかも
 
連休も取って、ようやく日常に戻ろうとしている本日は、ちょっと爽やかな音楽を聴きたいと思い
 
久しぶりに引っ張り出した一枚がこれです。
 
 
ホール&オーツの73年リリースのセカンドアルバム「ABANDONED LUNCHEONETTE」です。アトランティックのオリジナル盤。
 
 
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ホール&オーツといえば、80’Sポップを代表するグループのひとつである。
 
ベストヒットUSA」でも呆れるくらいにオンエアされていたデュオで、そういう80年代独特の「バブリー」なチャラチャラした音の代表格に見られがちだが
 
実はしっかりブラック・ミュージックに根ざした音作りをしている職人なのです。
 
このお二人はフィリーソウルの核である「シグマスタジオ」のソング・ライター&セッション・ミュージシャンとして裏方を務めていたお方。
 
フィリーソウルとはなにか?
 
70年代のフィラデルフィアを中心として起こったソウル・ミュージックの流れで
 
有名どころは
 
オージェイズ、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ、ビリー・ポール、スタイリスティックス、デルフォニックス、スリーディグリーズなどなど
 
 
ストリングス・アレンジを多用した、ちょっと官能的でエッチなソウルミュージックです。
 
日本でいえば、バブル期ちょっと前までの六本木のディスコで
 
チークタイムにかかるような音楽。
 
つのだ☆ひろの「メリージェーン」なんかはこの流れだと思います。
 
中学の同級生でバンド仲間だったイイゴンのカラオケ定番曲ですが(笑)。
 
 
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そういったエロエロの現場に居た白人の二人が作った音楽は
 
意外や芯の通ったチャキっとした、江戸っ子みたいなブルーアイドソウル。
 
エロ過ぎないでいい塩梅です(笑)。
 
本人たちのマジメな気質がなせる業かもしれません。
 
 
 
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このマジメさは、80年代に大ヒットを飛ばしていた時期にも共通しています。
 
 
時代に沿ってソウルフルなヒット曲を生み出すためにかましたギミックの数々がわかると
 
ホール&オーツの80年代の作品の聴き方も変わると思います。
 
頭打ちのステディなバスドラの音は
 
当時のニューウエイブに対応したため。
 
この音が80年代の特徴なのですが
 
これさえ取り除けば、実にオーソドックスでソウルマナーな曲が並びます。
 
「VOISES」「PRIVATE EYES」はいまだによく聴きます。
 
 
「PRIVATE EYES」収録の「I CAN'T GO FOR THAT」は元々ブラック系のFMのオンエアから生まれたヒット曲。
 
多分ローランドの「ヤオヤ(TR-808)」で発せられるリズムは
 
当時ブレイク中だったヒップホップとの関連性が垣間見れます。
 
 
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とまぁ、いろいろ書きましたが、
 
つまるところ
 
ホール&オーツのバランス感覚が好きなのです。
 
 
RCサクセションが「雨上がりの夜空に」でブレイクするあの「感じ」をアメリカで行っていたのがホール&オーツなのかもしれません。
 
キヨシローがオーティス・レディング支配下に置かれていたなんて
 
当時はだれにも解らないですよね(笑)。