6日(日) ぼちぼちいこか

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最初、ジョニ・ミッチェルのレコードをかけていたのだ。
 
そのあと、「日本のジョニ」こと金延幸子のレコードを続けてかけようと思ったら見つからなかった。
 
音楽がかかっていない時間が店に流れるのもなんなので、手にしたレコードをとりあえずかけた。
 
それがこれ。
 
「とりあえず」なんて失礼なくらい
 
25年にわたり聴き続けているレコードなんですけど、ね。
 
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「キー坊」こと上田正樹の記念すべきデビュー・アルバム。
 
上田正樹と有山淳司のデュオ・アルバム「ぼちぼちいこか」です。75年5月、徳間音工のバーボンレコードから発売されたオリジナル盤。
 
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キー坊といえば、やはり有名なのは「悲しい色やね」だと思うが
 
この人の本質はここにある。
 
大阪出身で、こてこての関西ブルーズが大好きな友人の影響で、学生時代から何度もキー坊のライブを観ているが
 
どんなにオシャレな曲をやろうとも
 
必ずこのアルバムのコーナーがあるのが素晴らしいのですな。
 
 
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盟友、有山さんと奏でる音楽は
 
大阪弁バリバリで人生の悲哀をコミカルに唄ったラグタイム・ブルーズ。
 
僕は大阪に住んだこともないけど
 
「大阪に出て来てから」なんて聴くと、自分が初めて東京でひとり暮らしをしたときのことを思い出したり
 
「俺、東京に出てきて4半世紀経つけど、なにやってんだろ?」なんて想いに耽ったりしてしまう。
 
渡さんの「夜風のブルース」と同じニュアンスだ。
 
有山さんのラグ・タイム・ギターもパキパキで最高です。
 
この人のラグタイムの師匠は夕焼け楽団のケニー井上さん。
 
こういう音楽は僕の中ではエバーグリーンなのですな。
 
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ライブの時にキー坊が必ず言うネタ。
 
「このアルバムは、発売されてから一回も廃盤にやったことがないんや!」
 
だそうです。
 
だから皆さん買ってみて下さいまし。
 
人生のしょっぱいペーソスがたくさん詰まってます!!
 
心の名盤になること請け合い(笑)。
 
 
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<大阪に出て来てから>
 
大阪に出て来てからもう一年
 
どぎつい大阪弁にもなれたけど
 
道頓堀のネオンサインにゃ今でもおどろくばかり
 
あぁそれでもふるさとに
 
時々帰りたいと思うけど
 
今ある金ではどうしようもない
 
大阪に出て来てからもう3年
 
人に「儲かりまっか?」と言われれば
 
さっぱりあきまへんわ
 
どうしようもおまへんわ
 
俺も笑顔でそんなことが
 
今では言えるようになったけど
 
ほんまにどうしようもおまへんわ
 
 
大阪へでてきてからもう5年
 
ごみだめの街には懐かしさ覚え
 
わいも一生ここで暮らすんかな?と思ったり
 
若い頃は一発当てようと大阪へいさんでやってきたが
 
わしらには
 
宝くじしかないんかなと思う