人は何故酔っ払うのか?
これは永遠のテーマであります。
まぁ、簡単なことなんですけどね。
気持ちいいからなんですけど(笑)。
年を重ねて、僕の飲酒暦も相当長くなりました。
そして「ぼけた網膜」の彼方はますます曖昧模糊なものになっております。
要は「記憶がない」ということです。
当然、飲酒中は覚えてるし、しっかりお話をしているんですよ。
頭もフル回転させてるしね。
人にも気を遣ってるはずです(笑)。
でもね、後になって正確に覚えてないんですよねぇ・・・・
最近は、2時間くらいばっさりなんにも覚えてないことが多々あります。
あまりにもそういうことが多いので、もはや落ち込まないですけどね。
「もう、それはそれだ!!そういう状態で言い放ったことが全て本音だ!!」
なんて開き直ってますが(苦笑)。
みなさん、すみません・・・・。
さてそういう状態の時、人は他人から見れば常軌を逸脱した行動に出ることが多々あります。
個人的にはそういう状況に陥った人はかなり愛おしいんですけど(笑)。
元職業柄なんでしょうかね?
この人は今、現実から離れてあちらの世界を酩酊してるんだなぁ・・・。彼にとってそれは大事な時間なんだなぁ、って思っちゃう。
もちろん、人に迷惑をかけていないというのが前提ですけどね。
ところで。
音楽をやってる奴等は酒飲みが実に多い。
僕も楽器弾きです。
そういう奴等が外で酒を呑むと何が起きるか??
そう
自分の愛器をどっかに置き忘れるのです(涙)。
誰とは言いませんが、ヤマハのフォークギターをこよなく愛するもじゃもじゃ頭の輩が、吉祥寺でのライブ後にうちの店で呑んだくれて、
帰りに(朝ですが)荻窪の富士そばに寄ってギターを置いてきちゃうとか。
名古屋でライブをやって当日に新幹線で東京まで帰ってきた某有名バンドの輩が、うっかり60年代の高額ギターをそこに忘れて、そのまま店に来て
「キノピーさん、俺ギター忘れちゃったんですよ・・・・。とりあえず始発で東京駅まで戻って確認してきますので、それまで呑ませてくださいよ」って朝まで痛飲する奴とか。
誰とは言いませんがね(笑)。
よくお喋りをする僕のパイセンのマルチ楽器奏者は、仕事道具を全て大きいスーツケースに入れて移動するのですがね。
いつものように朝まで楽しくお喋りをして、
「俺、明日地方でライブなんだよな。帰んないと」
「気をつけて帰ってくださいよ!!忘れ物ないようにねー」
「当たり前だよ!!俺、明日ライブなんだからさ!!」
と言いつつ、翌日電話がかかってきて
「木下君、俺スーツケースそこに置いてきてるよね?絶対置いてきてるよね???」
「いやいや、ちゃんと朝、持って帰りましたよ」
「ええっ!!!!!!??????」
なんて事があったり(笑)。
全て楽器は見つかったので問題はないのですがね。
高円寺界隈で有名な某ブルースギタリスト&評論家の方は、酩酊して楽器を忘れて
それで酒を辞めたという話も聞いたことがあります。
でも、そういう話を聞くたびに
「まったくしょうもないなぁ、酒飲みは。俺は楽器だけは命と同じくらい大事だからな。ありえないよなぁ」
って思っていたもんですが・・・・・・・
はい。
告白します。
遂にやっちゃいました(涙)。
これで僕も殿堂入りです。
それは土曜日のお話。
最近ちょこちょこレコーディングに呼んでいただいている某最高なロックシンガーからマンドリンのダビングの依頼があり
彼の音源に参加できるのは至上の喜びなので、わくわくしながら東京にはせ参じたのであります。
池袋から有楽町線に乗って、東池袋まで。
あの辺りはとてものどかな下町風情が残っている場所であります。
スタジオに行く道すがらはいつも楽しい。
レコーディングは和気あいあいと1時間半ほどで終わり
まぁ当然終わったら呑みますわな。
というかほぼ呑み会のためのレコーディングですな(笑)。
そのために集合時間もセッティングしますわな。
「お疲れ様!!!」
と乾杯もそこそこに呑むわ呑むわ。
声をかけていたおっさん達が知らず知らずのうちに集まってきて、やんややんやの楽しい呑み会が繰り広げられました。
いやー、楽しかったなぁ・・・
でもね
僕は今、埼玉に住んでいるので、翌日を無駄にしないためにも絶対帰らなければいけません。
明日は来週参加するバンバンバザールの「勝手にウッドストック」用の買出しをしなければならないのです。
宴もたけなわ「名残惜しいけど帰りますね(涙)」なんて殊勝な言葉を残しながら帰路に就いたのであります。
しかし、池袋駅までの道すがら僕が撮った写真を見てくださいよ。
酔い具合がよ~くわかりますよねぇ?
情けない(涙)。
池袋から僕の住む高崎線吹上駅までは乗り換えなしで50分ちょっとで着くことができます。
そう、意外や近いんです。
最近は「湘南新宿ライン」という名前になって、新宿や渋谷へも乗り継ぎなしで行くことも出来るようになりました。
だから乗っちゃえばいいんです。
でも、そこに落とし穴があるんですねぇ・・・
座れた時が危険なんです(笑)。
で、案の定です。。。。
「湘南新宿ライン」は実は2系統に分かれてるんですな。
旧高崎線と旧宇都宮線です。
それは大宮駅で分かれます。
籠原行きの高崎線に乗ったはずの僕は、なぜか大宮で降りてしまったのです。
座れてうたた寝して
「大宮~」というアナウンスを聞いた途端に「やばい!」と思っちゃったんでしょうねぇ。
「宇都宮まで行ったらとんでもないことになるぞ」って。
高崎線に乗ってたはずなのに・・・・
そのあと、僕は大宮駅のホームのベンチでぐっすりだったみたいです。
気がついて急いで隣のホームに移って、いよいよ帰途に着く。
その時に思ったのは
「あれ?今日はなんで都内で呑んでたんだっけ?」
でした(笑)。
そして記憶の糸を手繰りよせながら、気がついたことは
「なにか足らない・・・・・」
そう。僕の手元に黒い長方形のハードケースに入ったカスガのマンドリンがないのです。
急いで先ほどいた隣のホームを見渡しましたが、気配のかけらもない。
もうしょうがないです。
とりあえず電車に乗って吹上駅に着いてから、駅員さんに忘れ物の旨を伝えました。
その場でいろいろ調べてもらいましたが、見つかりません。
もうその場で焦ってもしょうがないですから。
というか不思議と心は落ち着いていて(それもどうかとは思いますが:笑)
「わかりました。明日の朝、連絡いたしますので今日は家に帰ります」
と駅から帰路につきました。
そして、着いてからまた呑んだのですがね。
そりゃそうだ。今この現実から逃げたいのだから。
呑みますよ、とりあえずは(涙)。
翌朝はちょっと寝坊して、朝7時半くらいに起きました。
そして、教えていただいたJR東日本忘れ物問い合わせセンターへTEL。
すると・・・
「んんんん・・・・それらしきものは一件あるんですけどねぇ。マンドリンとは書いてなくて「楽器」ってなってますねぇ。
黒い長方形のケースでね。籠原駅にありますので、行って確認してくれませんか?」
「えっ?電話で確認できないんですか?」
「今、JRの駅は全て電話番号は公表してないんですよ。ですのでお教えできないんです。行ってください」
「・・・・はぁ。わかりました・・・・・」
ということで、高校時代に友人の拓夫の家に遊びに行った以来、30年ぶりに熊谷のひとつ先の駅、籠原に行ってきました。
この時点で、マンドリンはあるという確信はかなりあったのですが、やはり行ってみないとわかりません。
なんとももやもやした気分で、改札のところで駅員さんに声をかけました。
すると・・・・
出てきましたよ!!!
俺のマンドリンが!!!!!
いや~本気で身体の力が抜けました(笑)。ほっとしましたもん。
でも、そんな時にJRの駅員ギャル(まさに「ギャル」だった)が、こういうのです。
「すみませんが、忘れ物を取りに来ていただいた際も乗車料金は頂くんですよ。ですので、一度改札を通ってからこちらに来て頂けませんか?」
・・・・・はいはい。「決まり」ですもんね。当たり前ですよね。はいはい。言うとおりにしますよ~~~(笑)。
ということで戻ってきました!!!よかったよかった。
このマンドリンは、高田渡氏から頂いたものなんですよ、実は。
あのどケチの渡さんがくれたものですからね。なかなか貴重ですよね(笑)。
くれた理由も「これさぁ、ファンからもらったんだけどね。弾きづらいんだよね。俺は無理だからあげるよ」
ですから(笑)。
でも大活躍してますよ、これ。渡さん!!
音も良いし。
一生弾きつづけますよー
と言うわりにはぞんざいな扱いでしたが・・・・・。
いやぁ・・・・だけどよかったです(涙)。
情けないなぁ、酒呑みは・・・・・・。
本日の格言
「嫁なくしても、楽器なくすな」
反省してます。