19日(水) アンソロジー

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最近、レコードを大量に譲っていただいた。
 
なんでも故人である叔父さんの所有物だったそうで、どうにも処分し切れないので預けます、とのこと。
 
何十年も経ったレコードはしっかりカビが生え、ニッポン独特の押入れの匂いが充満している。
 
こういうものは再生させないと気がすまないのが僕の性分で(笑)
 
毎日少しづつレコード磨きにせいを出しているこのごろであります。
 
ジャケットについたカビの匂いにはやっぱりファブリーズ。完全には取れないが、とりあえず押さえるくらいにまでにはなる。
 
肝心のヴァイナル盤には、オークションで購入した「魔法の水」だ。
 
ペットボトル1本で3000円くらいするのだが、おそらくこれで1000枚くらいは磨けるのでディスク・ユニオンとかで買う例の液体より割安だと思う。
 
この液体、多分ただの水。だけどこれを電気分解してるんだと思う。
 
そうすると、ウソみたいに汚れが取れて、音質が格段にアップするのです!
 
僕は3年くらいこれを購入し続けて使っているが、盤が痛んだこともないし、今のところベストです。
 
中古盤の魅力は、以前の所有者の「顔」がみえるところ。
 
レコードに書き込みがあったり、やたらと綺麗に保管していたり、逆にセンターの穴の周りが傷だらけの場合は、とにかく聴きまくっていたのがわかったり、歌詞カードについた指紋の多さにそのレコードへの愛情を見たり。
 
こういうのを一枚一枚磨きながら確認して、なにかの縁で僕のところにたどり着いたレコードにまた新たな愛情を注ぐのですな。
 
もう変態のレベルですけど(笑)。
 
 
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そんな譲っていただいたレコード群の一枚がこれ。
 
スティービー・ワンダー初期のベスト盤3枚組。
 
僕が大学生の時に出たモータウンの廉価盤シリーズのひとつ。他にもシュープリームスとかヴァンデラスとかも持っている。
 
当時3枚組みとかで2000円くらいだったので、金のない僕らにはいろんな音楽を知るために大変助かったシリーズであります。
 
写真でわかるかな?右上に丸い穴があいて、左下に縦の切り目があるでしょ?
 
こういうのを「カット・アウト盤」と呼びます。
 
これは売れ残ったレコードをスーパーとかのセールで売るために、縦に積んで紐を通した跡の名残りです。
 
これを目立つところに置いて、買う人はレコードを引っ張って抜いていくのですよ。
 
まさにアメリカならではの発想。
 
アメ公にレコードを大事にするという発想は皆無です。汚れたり傷ついたら買い換えるだけ。
 
僕が心底愛情を注ぐ「ヴァイナル」という塩化ビニール
 
彼らにとったらただの消費物でしかないのです。
 
国によって意識や考え方は全然違う。
 
 
僕はアメリカに生まれなくてホントによかったと
 
心の底から思う。
 
でも聴いている音楽の70パーセントはアメリカが生み出した音楽だったりする。
 
はい。僕はいつだって複雑なのです(笑)。