
随分久しぶりのブログ更新です。
で、お知らせ。
来年1月末日をもちまして、ハバナムーンを閉店することにいたしました。
これまで、約20年の間、ご愛顧頂き本当にありがとうございました。
継続か、決断か
ここ数年、とにかく考えました。
しかしながら、消費税増税以降、びっくりするくらいの経営不振に喘いでおります。
それとは別に、個人的には、最近は様々な食の問題に向き合ってます。
農薬問題、遺伝子組み換え、化学的な食品添加物 etc・・・・・
知れば知るほど、「こりゃ、どうにもならんわ」と思うばかり。
いつの日からか、自分で食べるものは自分で作らないと、という気持ちが抑えきれなくなりました。
もうすぐ僕も50歳を迎えます。
「老後」という言葉が無視できなくなってます。
60、70歳の自分を想像するとき、
カウンターの中の自分が思いつかない。
目の前に浮かぶのは、小さいながらも緑に覆われた野菜畑なんですね。
どうにもこうにも
こう思ってしまったら、後戻りができないのが僕のたちの悪い性格でして(苦笑)
いろんなことを上手く両立できないんですよね。
いろいろ重なった末に、今回こういう決断を下すことになりました。
「呑み屋」という「文化」があります。
仕事や収入や年齢や、そういう物差しが関係なく人と人が出会い、繋がっていく素晴らしい文化です。
そこには匂いがあって、くすんだ空気があって、猥雑な喧騒があって
呑み屋ではその人の本質が問われます。
その「場所」に居れるという満足感
そして、人を気遣うという事を、僕は呑む場所から学び、せめて自分の店もそういう場所になってくれればいいな、と思っていままでやってきました。
酒場、呑み屋は
僕の考え方、生きかたを形成してくれたとても大切な場所です。
約20年間、寝る時間以外のほぼ全てをこの場所で過ごしてきた僕は、皆様との出会いが唯一の財産です。
もし、そんなことをこの店に通ってくださった方が感じてくれているとしたら
そんな場所を奪ってしまうのは申し訳ないことだと思ってます。
本当にごめんなさい。
でも、それ以上に今向き合わなければならない問題が僕にはあります。
たべることの本当の意味を、自分が作ることで五感で感じたいんです。
そういう感覚ってこれからの時代に最も大事だと思うんですよね。
「想像力」がこれからもっと問われるんじゃないかなって。
おそらくずっとそういう生き方を探していたのかもしれません。
思えば、僕の音楽の嗜好もそういうものなのかも。
言ってることわかります?(笑)
この前読んだ本で「なるほどなぁ」って思うくだりがありました。
「鳥には羽があって空を飛ぶ。魚は泳ぐことで長距離を移動するものもある。
人間には足があって、本来はその足で届くような生活範囲で生きていくというように「設定」されている」
初めてアメリカに行ったのは1988年でした。
僕の大好きな音楽がそこにあって
21歳の僕はそんなものに憧れて、そこに住みたいと思って行きました。
行ってみて思ったのは、
僕の好きなその土地の音楽は、実はその場所に住む人達「のみ」にむけて発信されていたんです
要は、「土」への繋がりの強さが、僕の好きなものなんじゃないかなって。
それ以来、異常なほどに日本を、そして自分の周りにいる隣人を意識するようになりました。
だからこその呑み屋なんですが
今はそれ以上の「土」に究極に一番近い食のことの興味を捨てられません。
そういったことを含め、今回の決断に至りました。
どうかご理解の程を。
想像力を持って生きていくということ
それから、僕の大好きな鈴木常吉のおっさんがいつも言ってる「自分の死にどうやって向き合うか」
それの答えが今回の決断です。
今、動かないととんでもないことになるぞ
って思ってます。今日、選挙ですしね。
どうかご理解のほどを。
閉店まであと1ヵ月半です。
楽しくやれれば最高です。
29歳の時に思い立って店を始めて約20年経ちました。
やってよかったなぁ~って本当に思います。
「居れてよかったなぁ」って思っていただけたら、こんなに嬉しいことはないです。
それだけで、生活かけてやった意味があります。
呑み屋の文化が、ここ吉祥寺から消えませんように。
いろんな人が繋がる場所がありますように。
そんなことを願望しながら、僕は次のステップに進もうと思ってます。
無責任ですかね?そうですよね。
でもこれじゃ食えないんだから(笑)。
儲からないどころか、大変なんだから。
・・・・・楽しかったです
ありがと